病名・症状から探す

新生児壊死性腸炎の治療法と予後

新生児壊死性腸炎は、血流障害と細菌感染により腸が壊死する病気で、敗血症や腹膜炎を起こすこともあります。重症化しない限りは薬の投与で治療ができるので、早期発見が大切です。今回は新生児壊死性腸炎の治療法と、その後の経過について解説します。

新生児壊死性腸炎の症状

新生児壊死性腸炎は1~3期に分類されます。それぞれの症状の進行状況は次の通りです。

(1)1期
お腹の張りや嘔吐、体温の変動などの症状が現れます。X線写真では腸内に少量のガスが蓄積されているように見えますが、確定診断はできません。

(2)2期
肉眼で見える程の明らかな血便や強いお腹の張りなどの症状が現れます。腸内のガス量の増加が顕著にみられるため、X線写真による確定診断が行えます。

(3)3期
1~2期の症状が進行し、血圧の低下や治療のために胃の中に入れた胃管からの出血などがみられます。腸の壊死が進行すると腸に穴が空き腹膜炎を起こすことがあります。X線写真では、腸からお腹の中に漏れたガスを確認できます。

新生児壊死性腸炎の治療法

1期では授乳を中止し、胃に吸引チューブを通して空気とミルクを飲み込む時に生じる圧力を取り除きます。そして、静脈内投与で水分補給をしつつ抗生物質が投与されます。
2期では、新生児の呼吸や血液の循環を補助するために、胃管を入れて内容物を取り出すことがあります。
3期では広範囲に渡る壊死や腸に穴がみられる場合は外科手術が必要になります。

外科手術では、血液が供給されていない腸の一部を除去し、健康な腸の端を皮膚の表面に繋ぎます。そして、排便のための一時的な開口部を作ります。壊死性腸炎が回復したら、腸の端を繋ぎ、元の状態へと腸を戻します。新生児壊死性腸炎の手術後、約60~80%は回復するといわれています。

大規模な手術に耐えられない場合

手術の必要性が認められているものの、大規模な手術に耐えることができない新生児には、腹膜ドレーンという管を腹腔内に留置します。腹膜ドレーンで便と腹膜液を吸引し、抗生物質を投与することで症状が改善することがあるといわれています。

<まとめ>
新生児壊死性腸炎は重症化しない限り、外科手術の必要はありません。重症化した場合は壊死している腸の切除が行われます。手術に耐えることができないと判断された場合は、腹膜ドレーンを用いた治療法が適応されることがあります。


2016/11/29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事