黄疸

2016/11/29

新生児黄疸と診断…適切な対処法と治療について

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新生児黄疸と診断…適切な対処法と治療について

新生児黄疸とは、新生児の肌や白目の色が次第に黄色く変化する症状のことです。ほとんどは生理現象で起こるため問題ないケースが多いものの、治療が必要かどうか心配になることもあるかと思います。ここでは、新生児黄疸と診断された場合に知っておくべき治療や対処法を解説します。

多くの赤ちゃんに見られる生理的な黄疸

生後2,3日から約10日までに見られる新生児黄疸は、多くの赤ちゃんに見られる生理的な現象で、お腹の中にいる間は胎盤を通して酸素を受け取っていますが、酸素量が少ないため赤血球を増やして調整しています。しかし、出産後に肺呼吸が始まると酸素量が十分確保出来るようになるため、赤血球を減らし分解する働きが起こります。その際に黄色い色素を持つビリルビンと呼ばれる物質が大量に分泌されるので、肌や白目が黄色く変化することがあります。このような黄疸は生理的な現象で、特別な治療が必要無く治るケースがほとんどです。

長期の高ビリルビン血症は核黄疸を引き起こす

新生児黄疸の中で注意すべきなのは、長期に渡る高ビリルビン血症です。赤ちゃんの体内で増えたビリルビンは肝臓を通り体外へ排出されますが、排出機能が未発達でビリルビンが長く体内に蓄積されると高ビリルビン血症を引き起こします。高ビリルビン血症がさらに長く続くと、ビリルビンが脳の神経細胞を破壊する核黄疸と呼ばれる病気を発症するリスクが高くなります。特に低体重で生まれた場合や在胎週数が短い場合によりリスクが高くなる傾向があり、注意が必要です。生後3~4日頃から以下の症状が続く場合は病院に相談しましょう。

<核黄疸に見られる症状>
・不活発
・元気が無い
・筋緊張の低下
・哺乳力の低下
・おっぱいやミルクを吐く
・甲高い声で泣く
・けいれん

病的な黄疸の治療は核黄疸の予防に効果的

新生児黄疸が病的な高ビリルビン血症によるものと判断された場合は、ビリルビンの数値を下げる治療が行なわれます。特に核黄疸は一度発症すると治療が困難で、脳性麻痺や死亡に至ることもあるため、ビリルビンの数値を下げて早期に予防することが大切です。治療には以下の方法が選択されます。

【光線療法】
新生児の身体に光を当てることでビリルビンを水に溶けやすく変化させ、スムーズに肝臓から排泄できるようにする治療法です。ビリルビンは日光や蛍光灯の光に当たると血中濃度が下がる事が分かっています。そのため、赤ちゃんにアイマスクをした状態で保育器に入れ、青白い光線を24時間照射してビリルビンの数値がどの程度下がるかを調べます。数値が下がらない場合は再び光を照射します。

【交換輸血】
光療法で効果が見られない場合や溶血を伴うような重度の高ビリルビン血症の場合は、交換輸血と呼ばれる治療法が選択されます。輸血で赤血球を入れ替えることでビリルビンの数値を下げます。10~15mL/kgの濃厚赤血球を2~4時間かけて輸血するケースや、10mL/kgを2回に分けて1~2時間かけて輸血するケースがあります。

まとめ
新生児黄疸のほとんどは生理的な現象で治療の必要はありません。病的な黄疸が見つかった場合でも、入院中に診断出来ることが多く早期発見・早期治療により重症化する確率は低いと言えます。しかし、退院してから黄疸が出た、黄疸の範囲が広がっているなどの症状が見られる場合は注意が必要です。自己判断で放置せず、一度病院を受診し適切な処置を行ないましょう。


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