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2016/11/29

症状を軽くするために子どもの呼吸困難を治療する方法

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症状を軽くするために子どもの呼吸困難を治療する方法

子どもは肺や気管支など呼吸器が十分に発達していないため呼吸困難になりやすく、特に激しい咳や長引く咳には注意が必要です。症状を軽くするためには原因に合わせた治療法が必要です。ここでは、子どもの呼吸困難が起こりやすい病気と治療法について詳しく解説します。

呼吸困難を起こす病気(1)百日咳(ひゃくにちぜき)

間隔の短い咳が連続して起こり、症状が長期間に渡って続く病気です。ワクチンによる予防接種で子どもの感染者数は確実に減っていますが、くしゃみなどによる飛沫感染で家族や子ども同士でうつることがあります。しつこい咳が特徴で、発作的になると呼吸困難を起こす場合があり注意が必要です。また、症状には以下のような特徴があります。

<症状>
・初期に風邪に似た症状が1~2週間続く
・息を吸う時にヒューという音が出る
・吠えるような咳が長く続く
・咳をする感覚がだんだん短くなり連続して起こるようになる
・皮膚の色が悪くなる

百日咳の治療は、初期であればマクロライド系の抗生剤に効果が認められています。しかし、感染して時間が経つとあまり効果が無くなり、重症化した場合は免疫グロブリンの注射を打つ場合もあります。咳が始まってからの治療は菌の排出期間を短くし、周囲にうつさないようにすることが目的となります。

呼吸困難を起こす病気(2)急性気管支炎

急性気管支炎は気管や気管支を中心に炎症が起こる呼吸器疾患です。ウイルス感染が主な原因で、ウイルス性上気道炎を発症しおよそ3~5日後に気管支炎が発症します。急性気管支炎は風邪に似た以下のような症状が特徴です。

<症状>
・発熱
・乾いた咳から痰が絡む咳へ変わる
・水のような鼻水
・膿性の黄色の痰が出る
・くしゃみ
・喉の痛み
・息を吐く時にゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がする

急性気管支炎の治療では、症状を和らげるため薬を使った対症療法が行なわれます。咳を抑える鎮咳薬や痰を抑える去痰薬、炎症を鎮める消炎薬などに効果が期待出来ます。原因となるウイルスに対する治療は、現在のところインフルエンザウイルスを除いて有効なものはありません。インフルエンザAまたはBで発症後48時間以内であればタミフルやリレンザなどの薬が使われます。また、細菌感染の合併がある場合には抗菌薬による治療が効果的です。

呼吸困難を起こす病気(3)クループ症候群

クループ症候群はウイルスや細菌に感染し喉頭に炎症が起こる病気です。赤ちゃんや乳幼児に多く発症し、容態が急変して呼吸困難に陥ることがあるため注意が必要です。ウイルス感染によるものが多く、命の危険に関わるほど重症化する場合もあります。症状には以下のような特徴があります。

<症状>
・初期は風邪に似た症状(発熱、咳、鼻水)が出る
・犬が吠えるような「ケーンケーン」という咳が出る
・高いキューキューいう呼吸音が起こる
・声がかすれる
・夜間に症状が悪化する
・唇や顔が紫色に変化する

クループ症候群は夜間に突然症状が悪化しやすく、朝まで待っていると呼吸困難から命の危険に関わる場合もあり注意が必要です。症状に気付いたら早めに病院を受診しましょう。症状が軽ければ自宅治療となり、3~4日で回復します。症状が重い場合はコルチコステロイド薬を投与し、経過を観察するため、入院治療が行なわれます。呼吸困難による症状が悪化している場合は、酸素の吸入や静脈内輸液が行なわれます。正しく治療が行なわれれば、ほとんどのケースで完全に回復します。

呼吸困難を起こす病気(4)気管支喘息(小児喘息)

気管支喘息はアトピー体質の子どもが発症しやすく、アレルギー反応で呼吸困難の発作を繰り返す病気です。アレルギーの原因となるハウスダストや花粉、たばこの煙、食べ物などが体内に侵入した際に症状が現れます。また、天候の変化やストレスが引き金となり発症するケースもあります。症状の程度には個人差が大きく、軽度では日常生活に支障が無いものの中度や重度になると以下のような症状が強く現れるようになります。

<症状>
・肩で息をする
・呼吸の回数が多い
・元気が無い
・食欲が無い
・眠りが浅い
・不機嫌になる
・息を吐く時に「ゼイゼイ」「ゼロゼロ」「ヒューヒュー」などの音がする

気管支喘息の治療では、発作が起こった際に狭くなった気管支を拡げ呼吸を楽にするための気管支拡張薬が使われます。それでも症状が治まらない場合はステロイド点滴が行なわれ、さらに重篤化すると機械を用いた人工呼吸が行なわれます。また、発作が毎月起こる、数カ月ごとに深刻な発作が起こるなどの場合は以下のような薬が使われます。

【内服薬】
・プランルカスト水和物
・モンテルカストナトリウム

【吸入薬】
・クロモグリク酸ナトリウム
・プロピオン酸フルチカゾン
・プロピオン酸ベクロメタゾン

まとめ
子どもが呼吸困難に陥ったら、呼吸器系の疾患や病気を疑いましょう。咳の特徴を詳しく調べれば、原因となる病気をある程度予測する事が出来るようになります。しかし、軽症の場合は自然に回復するケースも多いため不安になり過ぎないようにしましょう。応急処置で症状がおさまらない場合は、早めに病院を受診しましょう。


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