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先天性食道閉鎖の5つのタイプと治療方法

生まれつき食道が途切れていたり、瘻孔により気管と食道がつながっている病気が先天性食道閉鎖です。先天性食道閉鎖症には様々なタイプがあり、手術による治療が必要です。今回は、先天性食道閉鎖症の治療法について解説します。

先天性食道閉鎖症とは?

先天性食道閉鎖症は、生まれつき食道が途切れている病気です。お腹の中の赤ちゃんは胎生してから4~7週頃、気管と食道が分離します。この過程に何らかの異常が発生することにより、起こると考えられています。

先天性食道閉鎖症は、3,000~5,000人に一人の確率で発生するといわれています。気管との間に本来発生するはずがない瘻孔(ろうこう)があるケースもあります。瘻孔とは、管状の穴であり、気管食道瘻(きかんしょくどうろう)と呼ばれます。

先天性食道閉鎖症の5つのタイプ

先天性食道閉鎖症は気管食道瘻の位置により、以下の5種類に分けられます。

(1)A型
気管食道瘻がないタイプです。気管と食道はつながっておらず、上下の食道に間があるため、生まれてすぐは胃に入れたチューブを介してミルクを与えます。手術は成長してから行う場合がほとんどで、代用食道を使用するケースもあります。発生頻度は全体の約5~10%です。

(2)B型
上の食道が気管食道瘻により、気管につながっているタイプです。低出生体重児や染色体異常、心・大血管奇形の合併症として出現する場合が多いですが、発生頻度はA型よりも低く、非常に稀です。唾液が気管内に流れ込むので、呼吸状態が悪くなります。しかし、上下の食道の間が長いことが多く、その場合には成長を待ってから手術を行います。

(3)C型
下の食道が気管食道瘻により、気管とつながっているタイプです。上下の食道の距離が短い場合は、出生直後に手術可能な場合もありますが、距離が長い場合は体重が増えるのを待ってから手術を行います。先天性食道閉鎖症の中でも特に高い頻度で生じるのがこのタイプであり、全体の約85~90%を占めます。

(4)D型
上下の食道が、どちらも気管食道瘻によって気管とつながっているタイプです。手術が必要ですが、成長を待ってから行われるケースがほとんどです。発生頻度はB型よりさらに低く、稀なタイプです。

(5)E型
食道の中断は見られないものの、気管食道瘻で食道と気管がつながっているタイプです。出生直後に発見することが難しく、手術をしても再発しやすいという特徴があります。発生頻度は全体の約5%です。

先天性食道閉鎖症の治療方法

先天性食道閉鎖症は出生前診断が下されるケースが多いですが、どのタイプなのかは出生後、鼻や口からカテーテルを入れてレントゲン写真を撮り確定診断に至ります。治療は前述の通り、タイプにより方法が異なります。

A型
食道閉鎖症では上下食道の吻合を行いますが、通常、上下食道の間の距離が長いため、胃瘻を造設した後、上下食道の延長術を行い乳児期以降に食道を吻合します。

B型
唾液が気管内に流入し早期から呼吸状態が悪くなるため、上の食道と気管との間を切離する必要があります。
食道の距離が長いことが多いので、体重の増加を待って代用食道を使用して食道を再建します。

C型
発生頻度が高いC型の場合は唾液の誤飲や気管食道瘻が原因で起こる肺炎、腹部膨満等の合併症が起こる可能性があるため、上体を起こして食道にチューブを入れ吸引し、肺炎の治療に取り掛かります。先天性食道閉鎖症自体の治療は、気管食道瘻と切り離す手術が必要です。

D型
B型に準じた治療を行います。

E型
右頸部(鎖骨の上)から到達して気管と食道の間の交通(瘻孔)を切離します。再発することが多いです。


2016/11/29

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