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2016/11/29

出生直後に手術が必要な場合もある先天性食道閉鎖症の原因

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出生直後に手術が必要な場合もある先天性食道閉鎖症の原因

生まれつき食道が途切れている先天性食道閉鎖症は、原因がはっきりとしておらず予防法のない病気です。以前は治療法のない病気として恐れられていましたが現在では出生直後に手術を受け、治療することができます。今回は先天性食道閉鎖症の5つの病型とその治療費用について解説します。

先天性食道閉鎖症とは?

先天性食道閉鎖症は生まれつき食道が途切れた状態にある病気です。気管との間に本来はないはずの気管食道瘻(きかんしょくどうろう)があることが多く、その位置により5つに分類されます。手術が必要になりますが、病型により実施する時期が異なります。

先天性食道閉鎖症の分類

先天性食道閉鎖症の5つの分類は以下の通りです。

(1)A型
気管食道瘻がないタイプで、気管と食道はつながれていません。上下の食道に間がある為、生まれてすぐは胃にチューブを通してそこにミルクを入れます。手術はある程度成長してから行うことが多く、代用食道を使用する場合もあります。先天性食道閉鎖症の約5~10%はこの型です。

(2)B型
上の食道は気管食道瘻により気管とつながれています。低出生体重児や、染色体異常の合併症として現れる場合が多いです。唾液が気管内に流れ込む為、呼吸状態が悪く上下の食道に間があります。こちらも手術は成長を待ってから行われることが多いです。先天性食道閉鎖症の中でも非常に稀な病型です。

(3)C型
下の食道が気管食道瘻により気管とつながっている状態です。上下の食道の距離が短い場合は出生直後に手術を行う場合がありますが、そうでない場合はある程度体重が増えるまで手術はできません。先天性食道閉鎖症の約85~90%がこの型であり、発生頻度の高い病型です。

(4)D型
上下の食道がそれぞれ気管食道瘻により気管とつながっている状態です。手術はB型同様、成長を待ってから行われることが多いです。発生頻度はB型より稀です。

(5)E型
食道の中断は見られませんが、気管食道瘻で食道が気管とつながれた状態です。このタイプは出生直後に発見することが難しいです。また、手術をしても再発しやすい病型でもあります。発生頻度は全体の約5%です。

治療に関わる費用は助成金を受けられる

先天性食道閉鎖症を予防する方法はありません。以前は治療法すらなく、無事に生まれても命を落とす赤ちゃんが多かったようです。しかし現在では出生後に手術を受けることで治療できます。

先天性食道閉鎖症は、児童福祉法に規定されている障害です。そのため、手術等の治療を受ける前に申請することで、治療に関わる費用の助成金を受けることができます。これは育成医療と言う制度を利用したもので、原則健康保険を使用し治療を受けたものが対象になります。

育成医療の申請はお住いの市区町村の窓口で行います。申請する場合に必要な書類は以下の通りです。

◆育成医療支給認定申請書
◆育成医療意見書
◆世帯調書
◆住民税課税証明書
◆健康保険証のコピー

申請後の自己負担額は治療費の1割になるケースが多いようですが、世帯所得に応じて公費負担額として認められる上限額が決められています。また、自己負担額が全くかからない自治体もあるようです。

先天性食道閉鎖症は原因が解明されておらず予防法のない病気ですが、出生後手術を受けることで治療ができます。治療費について育成医療制度を利用する場合は申請のタイミングや申請後の自己負担額について一度お住まいの自治体に確認しましょう。


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