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2016/11/29

小児に多い急性糸球体腎炎の特徴と原因について

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小児に多い急性糸球体腎炎の特徴と原因について

急性糸球体腎炎という言葉をご存知でしょうか。主に溶連菌を始めとする菌への感染後に起こる腎臓の病気です。子どもの罹患率が比較的多い病気です。重症化すると透析が必要になることも。今回は、急性糸球体腎炎の原因と治療について解説します。

突然の血尿とたんぱく尿。急性糸球体腎炎って、どんな病気?

急性糸球体腎炎は、血尿やたんぱく尿、高血圧、浮腫(むくみ)、糸球体ろ過量(GFR)の低下を特徴としています。糸球体ろ過量とは、老廃物を尿中に排泄する能力のことです。
そもそも糸球体は球状の毛細血管の塊で、流れ込んできた血液をろ過します。そのろ過された液(原尿といいます)が細長い尿細管に入り、必要なものは再び吸収されて血液に戻り、残りを尿として外にこし出すことで血液をきれいな状態にしています。糸球体は、網目の細かいざるのようなもので、それにより、血球やたんぱく質以外の成分はこし出されて尿として排泄されます。しかし、この糸球体が炎症を起こすとこの網目が詰まってしまい、血液をこし出すことができなくなり、尿が減ってしまいます。これを乏尿といいます。乏尿によって体内に水分や塩分が貯まってしまうと、浮腫(むくみ)や高血圧が出現します。炎症が起きて傷付いた糸球体から本来は尿中に出ないはずのたんぱく質や血球が漏れてしまい、血尿やたんぱく尿を引き起こします。
この病気は小児から若年者に多く発症し、多くは一過性に経過して治癒します。

溶連菌感染が主な原因?糸球体腎炎のしくみ

急性糸球体腎炎の代表的なものは、溶連菌の感染後に起こるもので、溶連菌に感染し1~2週間の潜伏期間の後に発症します。急性糸球体腎炎は何らかの感染症によって起こることが多く、糸球体に炎症が起こった状態です。
溶連菌の感染が起こると、人間の身体は免疫の反応として、抗体を作り出します。その抗体と溶連菌の成分が結合したものが、血流に乗って糸球体に運ばれ網目にひっかかると、炎症が起きます。
溶連菌の初感染は4?12歳の小児に多く、以前は頻度の高い腎炎でしたが、環境が良くなり、溶連菌感染に対して早い段階で抗生剤の投与が行えるため、最近では減少し、軽症化しています。

<まとめ>
溶連菌を始めとする細菌の感染後の罹患が多い糸球体腎炎について解説しましたが、現在は医学の進歩もあり、早期の治療が可能になりつつあります。しかし、治療を先伸ばしにすると腎不全にもなりかねない怖い病気であることには変わりありません。
突然の血尿やたんぱく尿、浮腫が出たらすぐに受診しましょう。早期の受診が、早期の治療に繋がります。

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