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急に子どもを襲う急性小児片麻痺の治療と予防する方法

てんかんや知的障害の後遺症を残す恐れのある子どもの病気が、急性小児片麻痺です。後遺症のリスクを低減させるためにも、早期に正しい治療を行う事や発症を予防する事が大切です。今回は、急性小児片麻痺の治療と予防方法について解説いたします。

急性小児片麻痺の治療には詳細な検査が必要

急性小児片麻痺には、発熱や痙攣を起こすタイプと、前触れなく急に左右どちらかの半身が麻痺するタイプの2通りの症状が存在し、症状の違いによって原因が異なります。前者のタイプはウイルスによる感染や脳炎、脳の血管が一時的に収縮し、酸素が行き渡らなくなる事が原因として挙げられます。一方で、後者のタイプでは血栓や血管閉塞によって脳の血流がシャットダウンする事が原因として考えられます。

正しい治療を行うためには、保護者が病状を医師に正確に伝え、どちらのタイプの経過を辿っているのかを明確にする必要があります。そして重要なのは、救急搬送された後に精密検査をしっかりと行う事です。

子どもは脳や免疫系が発達段階であり未熟なため、病気の背景にはウイルスへの感染を始め、心臓機能や代謝の異常、血液の異常、脳炎や脳症など様々な基礎疾患が隠れているケースもあります。治療を始めるにあたり、画像診断や疫学的検査、超音波を用いた検査など脳を中心として体全体にどのような異常を呈しているのか精査しなければなりません。

急性小児片麻痺の治療方法

急性小児片麻痺の治療は「痙攣やてんかんの治療」「脳炎や脳症の治療」「基礎疾患の治療」「麻痺部位のリハビリテーション」を主にして進められていきます。

まずいち早く行われるのが、痙攣の発作を鎮める対症療法です。痙攣の治療はてんかんに用いる薬剤が使用され、症状が重篤なケースでは全身麻酔を施し、人工呼吸によって呼吸を確保しながら昇圧剤を投与して血圧を上げる処置がとられます。痙攣を鎮める治療と同様に、脳炎や脳症の治療、脳の血圧を降下させる薬剤の投与なども早急に行われます。

また、検査によって何らかの疾患や異常、ウイルスへの感染が認められた場合は、疾患に応じて投薬などの適切な処置がなされます。

麻痺した部位については、筋肉が硬直してしまうため、リハビリを行います。後遺症として慢性的なてんかん症状が出る場合は、薬による治療やケースによっては外科的な治療が行われます。

急性小児片麻痺を予防するために有効な対策

急性小児片麻痺は、急に発症する疾患ですが、予防する事が全くできないという訳ではありません。特に、痙攣を起こすタイプでは、ウイルスの感染が大きく関与してます。そのため、風邪やインフルエンザなどに対する感染症の予防で発症リスクを低減させる事が可能です。

また、血液や心臓、代謝、免疫系、脳炎など子どもの異常をいち早く察知し、早期に発見、治療しておく事も、急性小児片麻痺の発症や重症化を防止するためには必要となります。

急性小児片麻痺で後遺症を残さないためには、急性期の治療が重要になってきます。病気の背後に隠れた因子を洗い出すためにもしっかりと検査を行い、疾患が見つかった場合は並行して治療を行う事も必要です。急性小児片麻痺は感染症によって誘引されるため、6歳以下の子どもを持つ保護者の方は特に、インフルエンザなどに対するウイルスへの対策をしっかりと講じましょう。


2016/11/29

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