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子どもを守るためのポリオの治療法

ポリオは赤ちゃんの予防接種などでよく耳にしますが、具体的にどのような病気なのでしょうか。日本では戦後に流行し、予防接種を行ったことで感染者は一気に減少しました。今回はポリオの症状や治療法、予防策についてご説明します。

ポリオとはどんな病気?

ポリオウイルスが人の口から侵入すると、喉や腸管内でウイルスが増殖し、唾液中または糞便と一緒にウイルスが排泄されます。増殖したウイルスの一部が、血流にのって脊髄の中枢神経系にたどり着くと炎症を起こし、手足のしびれが現れることがあります。

ウイルスに感染した人の唾液や排泄物の処理で汚染された手などの清潔が保たれていないと、ウイルスの付着した手を介してさらに人から人へと感染していきます。

ポリオの症状と治療法

ポリオの感染から発症までの潜伏期間は、4日~35日程といわれています。感染した人の多くは無症状のまま経過するか、喉の痛みや発熱、下痢や嘔吐などの風邪様症状でおさまり、免疫ができることがほとんどです。しかし感染した人の約0.1%に、弛緩性麻痺の症状が現れることがあります。

弛緩性麻痺の場合、1~2日の風邪様症状が現れます。熱が下がり始める頃に、力の抜けたような麻痺症状が手足に現れます。現れ方は左右非対称です。熱が下がりきると、通常は麻痺もそれ以上進行しないとされています。

しかし麻痺症状が現れた人の中には、筋肉が収縮して動きが制限されてしまう筋拘縮や、麻痺による運動障害が一生にわたり残ってしまう場合があります。

ポリオの治療法については、現段階では確立されておらず、特効薬などもありません。今できることとして、筋力低下や麻痺で関節が固まるのを予防するリハビリや、痛みを和らげるなどの対症療法を行うのみとなっています。呼吸器官の運動神経が麻痺で侵された場合には、呼吸不全になってしまうため人工呼吸器を取り入れます。

ポリオから子どもを守るための予防策

ウイルスを口から入れないために、手洗いうがいはもちろんのこと、予防接種が有効です。

ポリオは戦後に大流行してから、生ポリオワクチンを定期接種することで国内での(野生ポリオウイルスによる)ポリオ感染を抑えることができました。しかし、病原性を弱めた生ポリオワクチンの接種では、極まれに毒性を復活させてポリオの麻痺症状を発症した例もあり、ポリオワクチンの見直しがなされました。

ポリオワクチンの予防接種は、2012年9月1日から、これまで適用されていた生ポリオワクチンの予防接種を廃止し、不活化ポリオワクチンの予防接種が導入されました。不活化ポリオワクチンは病原性を無くして作られたものなので、接種後に発熱の副反応が出ることがあっても、ポリオウイルスによる麻痺症状を発症する心配はありません。

日本国内でのポリオの発生は、1980年を最後に感染の報告はありませんが、今後海外から入ってきたり、渡航先で感染する恐れがあります。また、免疫を持つ人の割合が少なくなると流行する恐れがあるため、引き続きポリオワクチンの予防接種を続けていく必要があります。

ポリオの治療法が確立されていないため、重要なのはポリオにかからないよう予防することです。予防接種は生後3カ月から受けることができます。早めの予防接種で、子どもの大事な未来を守りましょう。

参考サイト
国立感染症研究所 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/yobou.html#aboutpolio

厚生労働省 ポリオとポリオワクチンの基礎知識
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html


2016/11/29

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