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三尖弁閉鎖症の手術、フォンタン術の費用はどのくらい?

生まれつき、心臓の右心室と右心房の間にある三尖弁が閉鎖している三尖弁閉鎖症は、右心室が機能せず、チアノーゼや心不全などの症状がみられます。治療としてはフォンタン術という手術を行うこととなりますが、その費用はいったいどのくらいかかるのでしょうか?

三尖弁閉鎖症とは

三尖弁閉鎖症は、先天性の心臓疾患で、全国で毎年100~300人の三尖弁閉鎖症の赤ちゃんが生まれています。(参考:公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 三尖弁閉鎖症 http://www.nanbyou.or.jp/entry/4480 参照)明らかな原因は解明されていませんが、母親の胎内で心臓が形成される過程で何らかのトラブルにより三尖弁が閉じてしまうことによって起こり、染色体異常が関係しているという説もあります。心房中隔欠損症(ASD:右心房と左心房の間の壁に穴が空いており、右心房へ左心房の血液が流れ込み、肺への血流量が増加する疾患)を伴い、心室中隔欠損症(VSD)や肺動脈狭窄などの心臓疾患を伴う例も多くみられます。

右心室と右房の間の三尖弁が閉じてしまうと、全身を巡り、二酸化炭素や老廃物を集めて戻ってきた静脈血が右心室へ入れずに左房へと侵入し、左心室から大動脈を介して全身へと送られます。本来ならば、呼吸で摂り込んだ酸素を含んだ血液が全身へと送られるはずが、酸素の少ない血液が全身へと送られるのでチアノーゼがみられます。また、肺への血流量が増え、肺や心臓への負担が増し、浮腫みや息切れ、呼吸困難などの心不全症状がみられることもあります。

三尖弁閉鎖症の治療、フォンタン術とは

三尖弁閉鎖症では右心室が機能しないため、心室は左心室しか機能しません。そのため、治療としては低酸素症状を改善するために、心室がひとつのままでも静脈血が全身に廻らないようにするフォンタン術を行います。フォンタン術は、全身を巡って戻ってきた静脈血を右心室に戻すことなく肺動脈へと流れるようにし、左心室から酸素を摂り込んだ動脈血を全身に送り出す手術です。
三尖弁閉鎖症は、肺へと流れる血流量が低下するタイプと、反対に多くなりすぎるタイプとがあり、肺への血流量を調整するために生後から、点滴治療や手術、カテーテル治療などが行われます。フォンタン術は、三尖弁閉鎖症の治療の最終目標とされ、フォンタン術を行うまでに段階的な治療で、手術を行い最適な心臓の状態に持っていく必要があります。手術を受けるためには条件があり、全ての子どもがフォンタン術を受けられるわけではありません。フォンタン術は3歳前後で行われることが多く、手術によって生存率は上がりますが、手術後も合併症のリスクが伴い、留意して経過を追わなければなりません。

フォンタン術にかかる費用とは

心臓のバイパス手術であるフォンタン術の費用はいったいどのくらいかかるのでしょうか?ある病院の三尖弁閉鎖症のフォンタン術の費用概算は、入院日数は約1カ月間で500~600万円とされています。心臓の手術にかかる費用は何百万円単位となりますが、三尖弁閉鎖症は、国で小児慢性特定疾患に認定されており、医療費の助成金が受けられます。自己負担上限額は、家庭の所得によって異なり、一般所得者で一般例5,000~15,000円、重症例では2,500~10,000円です。実費である入院時の食費も自己負担額は半額となります。(参考:一般社団法人 全国心臓病の子どもを守る会http://www.heart-mamoru.jp/cgi-bin/apps/front/index.cgi?view=news.Entry&pk=1719)他にも市町村による自立支援医療(18歳未満:育成医療、18歳以上:更生医療)や子ども医療費助成制度、重度障害者医療費助成制度などの助成制度があり、それぞれ申請を行うことで手術にかかる費用や入院・外来費の助成金を受けることができます。自治体によっても条件や助成内容が異なるので、詳しくは、住んでいる自治体やかかっている病院の窓口へ相談しましょう。

<まとめ>
三尖弁閉鎖症は国の難病に指定される治療の難しい病気ですが、フォンタン術によって予後の改善が望めます。フォンタン術にたどり着くまでにも、長年の治療が必要となるので助成の情報を集め、活用していきましょう。


2016/11/29

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