網膜芽細胞腫

2016/11/29

小児がんの一種・網膜芽細胞腫の治療方法と費用

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小児がんの一種・網膜芽細胞腫の治療方法と費用

網膜芽細胞腫は、網膜にできる小児がんの一種です。早期発見できれば視力を温存できますが、症状が重いと眼球を摘出して義眼を入れなければならない場合があります。今回は網膜芽細胞腫の治療法と費用、そして治療費に対する補助が受けられる公的制度について解説します。

小児がんの一種・網膜芽細胞腫について

眼球の底には、網膜とよばれる膜状の組織があります。網膜芽細胞腫は主に乳幼児の網膜にできる悪性腫瘍(がん)で、約15000人に1人の確率で起こる珍しい病気です。約7割は片目だけに症状がでる片眼性、残りの約3割が両目に症状が出る両眼性となります。

□網膜芽細胞腫の主な症状
主な症状は視力低下ですが、乳幼児は目が見えないことをうまく伝えられません。
症状が進むと、以下のような外見的特徴が現れます。
・目が光を反射し、白く光って見える
・斜視(左右の目の向きが合わない)
・まぶたが腫れることがある

□網膜芽細胞腫の予後
早期発見できれば、生存率は9割といわれています。ただし、眼球以外に腫瘍が広がっている場合は、5年生存率が約7割、10年生存率が約6~7割です。
また、眼球保存率は全体で約5割といわれています。

網膜芽細胞腫の治療と義眼について

国内における網膜芽細胞腫の症例は少なく、治療法はまだ確立されていません。
視力の温存が期待できる場合は、光凝固・冷凍凝固などの局所治療を行います。必要に応じて、放射線治療・抗がん剤治療などを組み合わせることもあります。症状が重く視力の温存が難しい場合は、転移を防ぐためにも眼球そのものを摘出しなければなりません。

□義眼を使用する場合
摘出手術の傷が落ち着いたら、義眼を入れます。義眼の費用は、片方で9万~20万円ほどかかります。10歳くらいまでは成長に合わせて交換し、その後は約2年ごとに交換しなければなりません。

各種制度を利用して、医療費の負担を軽減する

網膜芽細胞腫の治療には、長い時間と費用がかかります。義眼を使用する場合は、さらに費用が必要になります。
健康保険だけでなく、様々な公的制度を利用できます。

□小児慢性特定疾患治療研究事業
網膜芽細胞腫は、小児慢性特定疾患に指定されています。小児慢性特定疾患と診断されたら、お住まいの自治体の担当窓口に申請しましょう。世帯収入や症状の重さに応じて、補助を受けることができます。

□子ども医療費
子どもが健康保険適用内の診療・治療を受けた場合、医療費の一部を市区町村が助成する制度です。小児慢性特定疾患治療研究事業の自己負担額を、子ども医療費で補うことができます。対象年齢や助成内容は自治体によって異なるので、窓口に問い合わせてみましょう。

□高額療養費制度
その月の医療費合計額が自己負担限度額を超えた場合、お住まいの自治体に申請すれば超過分が払い戻されます。医療費が高額になることが事前に判明していれば、先に申請することもできます。自己負担限度額は、年齢や世帯収入によって異なります。

網膜芽細胞腫は、子どもの網膜にできるがんの一種です。早期発見できれば生存率は高いものの、治療には長い時間がかかります。眼球を摘出した場合は義眼を使用しますが、一定期間ごとに新しい義眼に交換する必要があります。治療および義眼購入には高額な費用がかかりますが、公的な制度があるので上手に利用しましょう。

【参考記事URL】
https://gansupport.jp/article/patient_and_organization/patient01/4560.html
http://ganjoho.jp/child/cancer/retinoblastoma/treatment.html


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