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「わっ、またTシャツ!」 日本には寒さに強い外国人が多い?

コートなしでは外に出られない、ある寒い日。
何気なく視線を移すと、外国人が半袖Tシャツで歩いていてビックリ!
こんな経験はありませんか?
一体どうしてこんな寒い日にTシャツ1枚でいられるのか不思議でしょうがない、なんて思われたかもしれません。
出身の国や人種によって、暑さや寒さの感じ方に違いはあるのでしょうか?
詳しく解説していきましょう。

住んでいる環境が影響?

同じ日本人でも「北海道と沖縄に住んでいる人では寒さの感じ方が違う」ということは想像がつくのではないでしょうか。
たとえば、真冬に最高気温が氷点下まで下がるロシア出身の人が、冬の日本で過ごす場合。
「真冬のロシアに比べたら、大した寒さじゃないよ」と、薄着で過ごしていても納得がいくでしょう。
ところが実は、寒さに強い身体には「慣れだけではない理由がある」と考えられているのです。
それはどのような理由なのでしょう?

新たに発見された脂肪細胞の働き

寒さに強い理由のひとつは「ベージュ脂肪細胞」の存在。これは人間の身体にある脂肪細胞の一種です。
これまで脂肪細胞には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があるとされてきました。
白色脂肪細胞には、食べ過ぎなどで過剰になったエネルギーを中性脂肪に変え、
いざという時のために蓄えておく働きがあります。
内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されるほか、全身にも存在します。

一方で褐色脂肪細胞には、蓄えられた脂肪を分解してエネルギーを消費し、熱を生みだす働きがあります。
わきや心臓・腎臓のまわり、肩甲骨の周辺といった限られた部分に存在します。
とくに赤ちゃんには褐色脂肪細胞が多く、体温を維持しているため暑がることが多いといわれています。
これらに加えて、2012年に発見されたのがベージュ脂肪細胞です。
寒さによって特定のたんぱく質を発現し、熱を生産していることが明らかになったのです。
「もともと寒いところに住んでいる人はベージュ脂肪細胞が多い」という研究結果も報告されています。
ですから、真冬でもTシャツの外国人はベージュ脂肪細胞を多く持っている可能性があるのです。

熱産生の役割を担う筋肉

ここまで、気温の低い地域に住んでいる人が寒さに強い理由をお話してきました。
「でも、南米やアフリカなどの暑い国出身の人も、薄着で過ごしてない?」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
実は、出身やもともと住んでいた国の気候に関わらず、寒さに強い人には共通の特徴もあると考えられています。

それは身体の筋肉量。
人間の体温は肝臓などの内臓でも産生されていますが、最も大きい役割を果たしているのは筋肉です。
冷え性に悩む方は、一般的に男性よりも女性の方が多いですが、この理由のひとつに筋肉量の少なさが挙げられます。
これと同様に出身国に限らず、体格がよく筋肉量の多い外国人については、熱を多く産生するので寒さに強いといえます。

Tシャツの外国人をヒントにした寒さ対策も

真冬でもTシャツで過ごせる外国人の身体には、理由があることがわかりました。
まだまだ研究段階ではありますが、日本人でもベージュ細胞を増やせる可能性はゼロではありません。
それは冷感刺激や運動によって筋肉から「イリシン」と呼ばれるホルモンが分泌されると、
白色脂肪細胞がベージュ脂肪細胞に変化すると考えられているためです。
運動は筋肉量を増やし、熱産生をアップさせることにも効果的。
Tシャツで過ごすことまでは目指さなくとも、冬もこまめに身体を動かし、寒さ対策ができるといいですね。

<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士
株式会社とらうべ社員
産業保健(働く人の健康管理)

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2016/12/01

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部