不妊の悩み

2016/12/11

貧血気味であることと不妊には何か関係があるの?

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専門家監修記事(Q&Aコメント)

貧血気味であることと不妊には何か関係があるの?

原因不明の不妊と言われ、治療中の女性から相談が寄せられました。健康診断で貧血気味と診断されたことから、不妊と関係があるのではないかと思い、鉄のサプリを飲み始めたということです。貧血と不妊の関係について、専門家の意見を聞いてみましょう。

妊活についての相談:「貧血の不妊への影響について」

妊活を始めてから約4年経ちますが、なかなか結果が出ません。検査の結果異常もなく、原因不明の不妊です。先日の会社の健康診断で貧血気味と診断され、貧血が原因になっているのかもしれないと思い、鉄分のサプリを飲み始めました。貧血と不妊の関係についてはあまり情報がなく、病院でも聞きにくいです。貧血を治すことによって妊娠率が上がるなど、不妊に関係する情報があれば知りたいです。(30代・女性)

貧血は不妊の原因の一つになります

貧血とは、全身に酸素を運ぶ赤血球の中のヘモグロビンの数値が低下することです。ヘモグロビンが低下するということは、全身が酸素不足になります。つまり、身体全体が酸欠状態ということです。女性は男性よりも貧血になりやすく、慢性的な貧血の方は、身体が貧血に慣れて症状が出ず、知らない間に貧血が進行していることも多いです。

貧血は子宮環境やホルモンに影響を及ぼすため、不妊の原因の一つです。また、鉄分が不足することが卵子の染色体に影響し、これも不妊と関係があると言われています。

貧血は不妊の原因の一つで、不妊治療を受ける患者のほとんどが鉄欠乏性貧血です。貧血になると血行が悪くなりますから、子宮に充分な血液が行き届かず、子宮環境が悪くなります。鉄分は全身の細胞を構成するのに必要な栄養素ですから、鉄分が不足すると黄体ホルモンという妊娠を継続するために重要なホルモンの分泌が低下します。妊娠しやすい体を作るためには、貧血を改善し血行を良くすることが大切です。また妊活を4年間行っているようですが、妊娠の希望があり、一定期間性生活を行っているにも関わらず妊娠出来ない場合は、不妊症の可能性も否定出来ないので、早めに婦人科や不妊治療専門機関を受診することをお勧めします。(産科医師)
貧血の主な原因である鉄分の不足ですが、鉄分には抗酸化作用があることが知られています。抗酸化作用が低下すると、卵子の染色体の異常が出現するリスクが高くなると言われており、この現象も不妊の原因となることが指摘されています。病院では聞きにくいということですが、自分の状態を把握することは重要ですので、内科ではなく婦人科専門の病院やクリニックでしっかり説明を受けましょう。(看護師)

妊娠してからのためにも貧血対策をしておきましょう

鉄分を摂り貧血を改善することは、妊娠しやすい身体づくりのためだけでなく、妊娠してからの赤ちゃんの健やかな成長のためにも不可欠です。

胎児の臓器や胎盤が形成される妊娠初期には、多くの血液を必要とします。また、先天性障害の予防のために、妊娠前1カ月~妊娠初期の葉酸の摂取を推奨しています。鉄分は体内で作られませんから、食事やサプリで補うしかありません。(産科医師)

貧血は子宮環境やホルモン、卵子の染色体などに影響を及ぼすため、不妊の原因の一つになります。今から鉄分を補給し貧血を改善しておくことは、妊娠してからの胎児の健康に非常に重要なことです。


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