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妊婦が重いもの・荷物を持つ場合、どれくらいまで大丈夫?

「妊婦は重たいものを持ってはダメ!」と言うものの、実際には難しい場合がありますよね。無理をしない方が良いとはわかっていても、買い物や洗濯・仕事・上の子どものお世話・引っ越しが決まったときの荷造りなど…妊娠中のママは毎日忙しいものです。
今回は、なぜ妊婦が重いものを持ってはいけないのか?その理由や時期、持ってしまったときの対処法をご紹介します。

妊婦が重いものを持ってはいけない理由・影響とは?

理由

妊婦が重たいものを持たないほうが良いと言われる理由は、色々なリスクがあるためです。
重いものを持つときお腹に力が入ることを「腹圧(ふくあつ)」といい、分娩や排便でいきむ時にかかる力のことです。腹圧がかかりすぎるとお腹が張ってしまうと同時に子宮の筋肉も収縮してしまい、それが原因で流産や早産などを引き起こしてしまう可能性があります。また、重いものを持ったときにバランスを崩し転倒してしまうことや腰痛・背部痛になることもありますので、妊婦は重いものを持たないほうがいいとされています。

<考えられるリスク・症状>


・切迫早産や切迫流産
重いものを持つことで腹圧がかかり、それが原因で切迫早産や切迫流産につながることがあります。切迫早産は早産となる危険性が高い状態のこと、切迫流産は胎児が子宮内にいるものの流産の一歩手前の状態であることをいいます。病院の先生から切迫早産や切迫流産を指摘されている人は、少しの腹圧でもリスクがあるため慎重に行動しましょう。

・破水
腹圧がかかりすぎると、特に臨月以降は破水してしまうことが考えられます。また、妊婦は体調や身体が不安定なためバランスを崩しやすく転倒してしまうことがあります。激しく転倒するとお腹にダメージを受けて破水してしまうおそれがありますので、持ち上げ慣れているものだからといって過信せず、妊娠中は重いものを持つことはできるだけ避けましょう。

・腰痛
妊娠中はホルモンバランスや体型の変化により、骨盤が開きやすくなっています。そのうえ、大きなお腹を支えるために筋肉は張った状態です。そのような状態で重いものを持つと腰まわりに負担がかかってしまい、腰痛や背部痛を引き起こす原因になってしまいます。一度腰痛になってしまうと日常の動作も難しくなりますので、お腹だけでなく腰にも気をつけるようにしましょう。

重いものを持って大丈夫なのはいつからいつまで?

目安の時期

重いものに注意が必要な時期に定めはありません。「安定期に入ったから大丈夫」「医師から注意されていないから大丈夫」と考えるママは多いようですが、どの時期でもリスクは伴うものです。妊娠初期から出産までの全期間を通して、重いものを持つことはおすすめできません。

臨月の場合

臨月の妊婦が重いものを持つと、陣痛前に破水してしまう「前期破水」が起こる可能性があります。臨月であっても36週0日~6日の時期に産まれてしまうと早産になるため、赤ちゃんの状態によっては処置が必要になる場合があります。前期破水を予防するためにも、この時期に重いものを持つことは避けましょう。

持つとしても、何キロまで?

「妊婦が持って良いのは10kgまで」とよく言われていますが実際には個人差が大きく、重い荷物を持っても問題がない人もいれば、ちょっとしたことでお腹が張ってしまう人もいます。重さよりも張りや痛みの有無で判断しなければなりません。軽い買い物袋を持つ程度であれば大丈夫ですが、持ち上げる時に腰やお腹に負担がかかるようであればやめておきましょう。

仕事で重いものを持つのも控えた方がいい?

仕事の場合の対処法

連続して重いものを持つ、長時間立ちっぱなし、歩きっぱなしという状態はお腹が張る原因になります。宅配業・倉庫業・介護職など、仕事で重いものを持つ機会が多い人や立ち仕事が多い人は早めに上司へ相談し、サポートを受けられるようにしましょう。周囲に迷惑がかかると遠慮するかもしれませんが、妊娠中に大事が起きてからでは取り返しのつかないことになります。無理せずお腹の赤ちゃんを優先して考えてください。

買い物など家の用事で重いものを持つ場合

妊娠中でも掃除・洗濯・料理などの家事でママは忙しいものです。特に買い物は、飲み物・調味料・お米などをカゴに入れていくとすぐに荷物が重くなってしまいます。重たいものやかさばるものはダンナさんが休みの日にお願いするようにしましょう。
頼みにくい場合は、ネットスーパーや食材宅配サービスを利用することをおすすめします。ネットやカタログで必要なものを注文するだけで自宅に配達してくれますので、思うように外出できない妊娠中は非常に助かります。注文から最短で当日配送してくれるもありますので、お住まいの地域で利用可能なサービスを見つけましょう。

重いものを持ってしまった場合の対処法

特に何の症状がない場合

その場で症状がなくても、しばらくはご自身の体調の変化に気を配りましょう。もしお腹に異変があった場合は休み、無理しないようにしてください。

お腹が痛い・お腹が張るなどの症状がある場合

重いものを持って、お腹が張る・腹痛があるという症状が現れた場合はすぐに横になって安静にしてください。切迫早産や切迫流産の兆候として、お腹の張りがあげられますので注意が必要です。1時間ほど安静にしていても張りがおさまらない・張り以外に強い痛みがある・出血があるなどの場合は、すぐに産婦人科を受診しましょう。

妊婦が重いものを持ってはいけない理由は、腹圧がかかり早産や流産のリスクが生じてしまうこと、腰痛の原因になってしまうこと、転倒して二次災害を起こしてしまうことなどがあげられます。
妊娠初期~出産までの期間で、重いものを持っていい時期はありません。妊婦は重いものを持つことはできるだけ避け、ダンナさんや職場の同僚など周囲に協力してもらう、買い物はネットスーパーを活用するなど、工夫して生活するようにしましょう。ママが頑張りすぎてお腹の赤ちゃんにもしものことがあってからでは、後悔することになってしまいます。妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにも無理をしないようにしてくださいね。もしもお腹に張りなどの異常を感じられた場合は安静にし、治らない場合や心配が残る場合は婦人科を受診するようにしましょう。

参考文献:
日本産科婦人科学会「産科・婦人科の病気インデックス」


2018/11/27

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