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2016/12/14

【徹底解説】インフルエンザの予防や症状、治療薬の副作用や予防接種の時期、検査や合併症について

この記事の監修/執筆

内科医/女医プラス松田 明子

【徹底解説】インフルエンザの予防や症状、治療薬の副作用や予防接種の時期、検査や合併症について

感染力の強いインフルエンザは、幼稚園や学校でも流行しやすい感染症です。特に乳幼児の感染では重症化することも。子供のインフルエンザ感染を事前に防ぐためにも、インフルエンザについての正しい知識を身に着けておきましょう。

目次

1. インフルエンザとは
2. インフルエンザの感染
3. インフルエンザの種類
4. インフルエンザの症状
5. インフルエンザの合併症(1)インフルエンザ脳症
6. インフルエンザの合併症(2)肺炎
7. インフルエンザの検査
8. インフルエンザの治療
9. インフルエンザの治療に使われる薬
10. インフルエンザにかかってしまったら
11. インフルエンザ予防の基本
12. インフルエンザの予防接種

1. インフルエンザとは

●インフルエンザウイルスが原因となる感染症
インフルエンザとはインフルエンザウイルスというウイルスがのどや気管支などに感染して起こる呼吸器感染症です。一般的に言う「風邪」も呼吸器感染症ですが、インフルエンザは風邪よりも重くなりやすく、風邪とは分けて考えた方がよいでしょう。
インフルエンザは9歳以下の子供の発症が多い病気ですが、重症化するのは高齢者が多く、死に至ることもあります。

●インフルエンザ流行の歴史
インフルエンザの歴史は古く、古代のギリシアやエジプトの記録にもインフルエンザと思われる病気の記載があるとされています。日本でも、平安時代にインフルエンザの流行と思われる記録があり、江戸時代にも「はやり風邪」と呼ばれた風邪の流行が記録として残っています。
感染が世界中に拡がり短期的に拡大することを「パンデミック」と言います。インフルエンザのパンデミックは20世紀計4回起こっています。

●インフルエンザの流行時期
インフルエンザは毎年世界各地で流行が見られます。国により流行時期は異なりますが、主に北半球の国では1~2月頃、南半球の国では7~8月頃が流行のピークとなります。
日本でも毎年同時期にインフルエンザの流行があり、「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。季節性インフルエンザは毎年11月~12月頃から発生し始め、翌年の1~3月頃ピークとなり、4月になり徐々に収まっていくのがパターンです。例外としては、2009年に流行した新型インフルエンザがあり、このときは5月に感染者が確認され、夏以降爆発的に拡がりを見せました。
インフルエンザの流行には大小あり、流行が大きい年はインフルエンザによる死亡者や肺炎による死亡者が増加することがわかっています。

2. インフルエンザの感染

●インフルエンザの感染経路
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスが呼吸にともなって体内に入り、のどや気管支などで増殖することで熱やせきなどの症状が引き起こされます。このようなインフルエンザの感染には主に2つの感染経路があります。

・飛沫感染
もっとも多いケースが飛沫感染です。飛沫とはインフルエンザ感染者のせきやくしゃみによって飛び散る、インフルエンザウイルスを含んだ小粒子のこと。インフルエンザ感染者のせきやくしゃみに含まれる飛沫を吸い込んでしまうことでウイルスが呼吸器に入り感染するのが飛沫感染です。1回のくしゃみに含まれるインフルエンザウイルスの飛沫はおよそ200万個といわれています。

・接触感染
インフルエンザウイルスが付着したものを触ることで手にもインフルエンザウイルスが着き、さらにその手を口や鼻、目にもっていくことで粘膜からウイルスが入り込み感染するケースです。ドアノブや食器、電車やバスのつり革などを介して接触感染することが考えられます。

●インフルエンザ感染後の潜伏期間
ウイルスに感染してから症状が出るまでの期間を潜伏期間といいます。
インフルエンザの場合、潜伏期間は2日間前後が一般的ですが、1週間ほど潜伏しているケースもあります。
インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、24時間後にはそのウイルスが100万個にまで増殖するといわれています。この増殖の早さがインフルエンザの特徴で、たちまち周囲に感染していきます。

●潜伏期間中でも感染する?
インフルエンザウイルスの感染力がもっとも強くなるのは発熱が見られてから3日目ですが、潜伏期間中でも感染する可能性はあります。ただし、感染力は発症後ほど強くはありません。
しかし、潜伏期間中は自覚症状がないため予防しにくいといった問題点もあります。
周りでインフルエンザが流行していて、のどや鼻に違和感がある、倦怠感がある、といった場合はインフルエンザウイルスが潜伏している可能性があるので家族との接触を控える、マスクをするなどして感染拡大に注意しましょう。

3. インフルエンザの種類

●インフルエンザA型
インフルエンザの中でもっとも流行しやすく、また、症状も重くなりやすいといわれているのがインフルエンザA型です。
インフルエンザA型のやっかいなところは、突然変異しやすいという点。突然変異を起こすと、一度インフルエンザA型に感染したことがあったとしてもその免疫が効かず、拡大しやすくなります。これまで世界規模で起こってきたインフルエンザの大流行のほとんどがA型のインフルエンザ。日本で流行する季節性インフルエンザも多くの場合A型です。
インフルエンザA型に感染した際の症状としては、急な高熱やのどの痛み、鼻水、せきなどがあります。つらい全身症状が見られるのも特徴のひとつで、起き上がれないほど体がしんどくなるケースも少なくありません。
重症化することが多いのもA型で、特に免疫の弱い小児や高齢者は肺炎などの合併症につながることもあります。

●インフルエンザB型
インフルエンザB型はA型と違い突然変異しにくいのが特徴です。そのため、1度感染すると免疫ができて2度目以降は感染しにくくなります。爆発的な流行はほとんどなく、流行してもスピードが遅くゆっくりと拡がります。A型のように毎年流行するのではなく、局所的に、数年おきで流行します。
症状は急な高熱、のどの痛み、鼻水、せきなどでインフルエンザA型と基本的には同じです。しかし、B型の特徴として消化器系に症状が出やすいという部分があり、腹痛や嘔吐が見られることもあります。また、高熱が出た後に中耳炎や肺炎を起こすこともあります。

●インフルエンザC型
インフルエンザC型は流行も比較的狭い範囲で、症状も軽いことが多いタイプのインフルエンザです。インフルエンザのA型などは重症化しやすく、高齢者などでは死亡することもありますが、C型での死亡例は今のところありません。ただし、乳幼児が感染すると入院となることもあります。
症状は高熱、鼻水、せきなどインフルエンザA型、B型とほぼ同じでほかに特徴的な症状がないため、初診時に症状だけでA型やB型と鑑別するのは難しいとされています。
A型やB型のインフルエンザの流行は11月頃~翌年の3月頃までに見られますが、C型は通年みられ、季節性はあまりありません。

・季節性でない新型インフルエンザ
2009年に大流行した新型インフルエンザは、これまで流行してきたインフルエンザA型やB型などの季節性インフルエンザとは異なる新しいインフルエンザウイルスが原因となっています。これまでに流行したことがなくみんなが免疫をもっていないため、たちまち感染が拡大しました。
新型インフルエンザの症状は高熱や鼻水、せきなどで季節性インフルエンザとほとんど変わりません。ただ、嘔吐や下痢といった消化器系の症状も多いとされています。ほとんどの感染者は症状が軽いまま治まりましたが、ぜんそくなど持病をもつ人などハイリスクな感染者では死亡した例もあります。

4. インフルエンザの症状

●インフルエンザの基本的な症状
インフルエンザでは、以下のような症状が突然現れます。

<インフルエンザ発症直後の症状>
・突然の悪寒
・38度以上の高熱
・倦怠感や疲労感
・関節痛
・頭痛

こういった突然の激しい全身症状に襲われ、少し遅れて鼻水やせきといった、風邪と同じような呼吸器症状が現れます。このようなつらい症状が1~3日ほど続き、通常は10日ほどすると症状が落ち着いてきて治まります。ただし、高齢者や、循環器系や呼吸器系などに持病のある人、免疫力の低下している人などは症状が悪化し入院や死亡のリスクが高まります。
また、幼児・小児の場合、合併症として急激に悪化する脳症「インフルエンザ脳症」を発症することもあります。

●A型とB型の症状の特徴の違い
インフルエンザの中でも流行しやすいA型とB型では、症状に違いがあるのでしょうか。
A型とB型では、基本的な症状は同じで、突然の高熱や倦怠感、頭痛、鼻水、せきなどです。
ただし、B型ではこれに加えて腹痛や嘔吐といった消化器系の症状も出やすいとされています。また、B型では高熱のあとに肺炎や中耳炎といった重い疾患になることもあります。
基本的な症状は同じでも症状の現れ方に違いがあり、A型の方が症状が強く出る傾向にあります。

●インフルエンザと風邪の見分け方
一般的に「風邪」といわれているものは、熱が高くなる前にのどの痛みや鼻水などの初期症状があり、「あれ、風邪を引いたかな?」という感覚があるケースが多いです。しかし、インフルエンザでは前触れなく突然38度以上の高熱が出て、倦怠感などの全身症状が現れるのが特徴です。
また、症状の強さにも違いがあります。風邪の場合、熱は出てもインフルエンザほどの高熱が出ることは稀で、全身症状もそれほど強くありません。インフルエンザではつらい全身症状が1~3日ほど続きます。

5. インフルエンザの合併症(1)インフルエンザ脳症

●インフルエンザ脳症とは
感染したウイルスが脳に直接入り込み炎症を起こす状態を脳炎といいますが、脳症はウイルスが脳内には入らず免疫が正しく働かなくなった状態です。
感染したインフルエンザウイルスが原因で起こるインフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のひとつ。1~5歳の乳幼児、特に1~2歳の乳児に多く見られます。インフルエンザ脳症は1年間におよそ100~300人の子供に発症しています。

●インフルエンザ脳症の発症の仕方
インフルエンザ脳症は急激に発症します。およそ8割のケースで発熱後数時間~24時間の間に意識障害や幻覚などの症状が現れます。

●インフルエンザ脳症の症状
高熱やせき、鼻水といったインフルエンザの一般的な症状に加え、けいれん、意識障害、異常な言動などの症状が見られるようになります。具体的に、以下のような症状が見られたら注意が必要です。

・呼びかけても反応しない
・ずっとうとうとした状態が続いている
・15分以上けいれんした状態が続く
・けいれんが終わっても意識がはっきりしない
・けいれんの前や後に異常な言動や行動が見られる
・異常な言動が長い時間続く

上記のような症状のほかに、血管の詰まりや臓器不全が起こることがあります。

●インフルエンザ脳症を予防するには
インフルエンザ脳症を予防するには何よりもインフルエンザウイルスに感染しないことが大切です。インフルエンザが流行しているときはできるだけ人が多い場所への外出を避け、もし出かけるのであればマスクを着用するようにしましょう。帰ったら手洗い・うがいを欠かさずに。お子さんにも手洗い・うがいを習慣づけさせるとよいでしょう。また、インフルエンザが流行する前に家族で予防接種を受けることも大切です。インフルエンザ脳症1~5歳の小さな子供に発症しやすいので、生後6か月を過ぎたら予防接種を受けさせるようにしましょう。 もしインフルエンザに感染してしまったら、タミフルの服用が有効です。タミフルは体内でのインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用があるため、早めに服用することで脳症を発症するリスクを下げるとされています。ただし、脳症は急速に進行するため、すでにけいれんなどの症状が出ている場合は効果があまり期待できないこともあります。

6. インフルエンザの合併症(2)肺炎

●インフルエンザで肺炎が起こるメカニズム
インフルエンザによる肺炎は、そのほとんどがインフルエンザウイルスそのものによるものではなく細菌による肺炎です。インフルエンザに感染するとのどや気管が炎症を起こします。すると気道の抵抗力が落ち、細菌に感染しやすい状態になります。そこに肺炎球菌やインフルエンザ菌が二次感染を起こし、肺炎を引き起こします。肺炎球菌やインフルエンザ菌は気道に常に存在しているため、二次感染を起こしやすいのです。
インフルエンザで死亡するケースのほとんどが二次感染での肺炎によるものといわれています。

●肺炎を合併しやすい人とは
インフルエンザからの二次感染による肺炎になりやすい、高リスクの人は以下のような人です。
・心臓や呼吸器に病気がある人
・糖尿病、腎不全、免疫不全など免疫不全をもつ人
・長期間療養施設に入っている人
・50歳以上の人
特に高齢者は肺炎で死亡する人が多くいます。

●インフルエンザからの肺炎を予防するには
インフルエンザからの肺炎を予防するには、体を休ませることが大切。インフルエンザと診断されたら、休養をしっかりとるようにしましょう。処方された薬も医師の指示通りにきちんと服用してください。高リスクの人には抗菌薬が処方されることもあります。二次感染による肺炎のリスクを少しでも下げるために、早めに抗菌薬での治療を始めることが大切です。
インフルエンザの症状が現れてから5日以上たっているのに熱が下がらない、のどに違和感があるなどの場合は肺炎を起こしている可能性があります。早めに受診して相談しましょう。

7. インフルエンザの検査

・インフルエンザの検査方法
現在もっとも一般的に行われているインフルエンザの検査は「迅速診断キット」を用いた検査です。のどや鼻から粘膜をとり、それに含まれるインフルエンザウイルスの量を調べます。ウイルスの量が一定以上になると陽性となりインフルエンザと診断できます。
ただし、この検査はインフルエンザウイルスのA型とB型は判定できますが、C型は判定できません。インフルエンザC型はあまり頻繁に流行するものではなく、今のところ簡易的な検査キットがありません。

・インフルエンザの検査を受けるタイミング
迅速診断キットで行う検査はインフルエンザウイルスが一定の量に達すると陽性反応が出ます。そのため、まだウイルスがそれほど増殖していない初期の段階では、感染していても陰性となる場合があります。これを「偽陰性」といいます。
偽陰性を避けるには、高熱などの症状が出てから12~24時間以上あけて検査を受けるのがベスト。ただし、発症してから2日以上経ってしまうと、インフルエンザと診断されて薬を処方されても薬の効果が落ちてしまうことがあります。遅すぎてもよくありません。

8. インフルエンザの治療

病院で行われるインフルエンザの治療は「薬物療法」が一般的です。以下のような薬物療法が行われます。

(1)抗インフルエンザ薬での原因療法
抗インフルエンザ薬を使いインフルエンザウイルスの増殖を抑えます。インフルエンザウイルスは急激な速さで増殖するため、発症して48時間以内でないと抗インフルエンザ薬の効果は十分に発揮されません。インフルエンザが疑われる症状が現れたら、48時間以内には受診するようにしましょう。

(2)対症療法
解熱鎮痛剤などで症状を和らげます。

上記のほか、二次感染による肺炎が心配される患者には細菌を殺す作用のある抗菌薬が処方されることもあります。

9. インフルエンザの治療に使われる薬

●ロキソニンの効果と注意点
インフルエンザの症状として高熱や関節痛があります。ロキソニンは、発熱や痛みを強める「プロスタグランジン」という物質の生成を抑制する働きがあり、解熱や鎮痛を目的として用いられます。インフルエンザウイルスそのものをやっつける作用はなく、インフルエンザのよる症状への対症療法として使用します。
ロキソニンは胃に負担がかかる薬のため、服用する際は空腹時を避けるようにしましょう。また、飲み合わせにより副作用が出ることもあるので、別の治療薬を服用中の人は事前に医師に伝えるようにしてください。

●タミフルの効果と注意点
タミフルはインフルエンザにかかった際に治療薬としてよく処方される薬です。インフルエンザウイルスの体内での増殖を抑える働きがあり、熱を下げたりせきや鼻水などの症状を軽くしたりという効果があります。
ただし、タミフルはインフルエンザウイルスを殺す作用はありません。あくまで増殖を抑える薬であるため、インフルエンザウイルスが増殖する期間に服用することが重要です。具体的には、症状が現れてから48時間以内の服用が理想です。

●イナビルの効果と注意点
イナビルはタミフル同様、インフルエンザウイルスの増殖を抑える作用を持ちます。成人の場合は40㎎のイナビルを1回吸引すればその効果が得られます。
また、イナビルはインフルエンザの予防としても効果があります。予防の場合は20mgのイナビルを1日吸引、これを2日間続けます。予防としてのイナビルの処方は保険適応外となります。
イナビルをインフルエンザ発症時に使用する際は、タミフルと同じくインフルエンザが増殖する時期、発症の48時間以内に服用することが大切。この期間を過ぎると効果が薄れてしまうので注意しましょう。

10. インフルエンザにかかってしまったら

●自宅でのケア・対処法
治療中は自宅での過ごし方も大切です。自宅では以下のことを意識してください。

(1)医師の指示取り薬を服用する
せっかく医療機関を受診して薬を処方してもらっても、正しく服用しなければ効果は得られません。服用の回数やタイミングなどは医師の指示をしっかり守りましょう。

(2)マスクをつける
マスクをすると口や鼻周りの湿度が保たれてのどへの刺激を抑えることができます。また、周囲の感染拡大を予防するためにもマスクは有効です。

(3)水分をしっかり補給する
下痢や嘔吐の症状があるときは、水分が通常よりも失われやすく、脱水状態になることがあります。水分はこまめに補給しましょう。

(4)安静にして睡眠をしっかりとる
体を動かさず休ませることで体の防御反応を高めることができ、回復しやすくなります。特に睡眠は十分にとりましょう。

●登園・登校はいつから?
学校保健安全法で、インフルエンザの場合、発症後5日間経過、かつ解熱後2日間(幼児は3日間)は出席停止期間と定められています。熱が下がったあともしばらく登校・登園を控えた方がよいとされるのは、熱が下がったあとでもウイルスを排出している可能性があるためです。周囲に感染させないためにも、解熱後2日して登園・登校させる際にもマスクを着けさせるようにしましょう。

●感染を拡大させないために
インフルエンザの感染経路としてもっとも多いのは飛沫感染です。くしゃみを1回するだけでおよそ200万個のインフルエンザウイルスをまき散らしているといわれています。もし自分や子供がインフルエンザに感染した場合、感染を拡大させないためにもマスクをしっかり着用しましょう。マスクは顔のカーブにフィットして隙間ができないものを選んでください。
また、熱が下がっても体内にはまだウイルスが存在しているため、解熱後2~3日は外出を控えるようにしましょう。

11. インフルエンザ予防の基本

●うがいの効果とポイント
インフルエンザウイルスは、口や鼻から体内に侵入します。うがいには、口の中やのどを洗って口から入ってくる細菌やウイルスを粘液と一緒に取り除く効果があります。特に、外出から帰ったあとや人ごみの中に入ったあとは細菌やウイルスが口に入っている可能性が高いのでうがいを徹底しましょう。
水だけのうがいでも効果がありますが、うがい薬を使用すれば薬の殺菌力などでさらに高い効果が期待できます。

●マスクの効果と着け方
マスクでインフルエンザウイルスの侵入を完全に防ぐことはできませんが、マスクには口や鼻の湿度を保つ効果があります。空気が乾燥していると気道粘膜の防御力が低下して症状が出やすくなります。マスクで湿度を保つことで症状を出にくくします。
マスクはできる限り頬や鼻にフィットしたものを選び、隙間のないようにしましょう。ウイルスが手に付着するのを防ぐためにも、マスクを外す際はフィルター部分には触れないようにしましょう。

・手洗い効果とポイント
インフルエンザウイルスの感染経路には、せきやくしゃみによってまき散らかされたウイルスを吸い込む飛沫感染以外にも、手に付着したウイルスが口や鼻から侵入する接触感染もあります。手に付着したウイルスを洗い流し、接触感染を予防するのが手洗いの目的です。
手を洗う際は、手のひらだけでなく、手の甲や指の間もしっかりもみ洗いします。石鹸などの界面活性剤は脂質との相互作用によってウイルスを落としやすくするとされています。アルコールの消毒液も有効です。
ウイルスは目に見えるものではありません。目に見えて汚れているときだけでなく、外出後や食事前には必ず手を洗う習慣をつけましょう。

・湿度調整の効果とポイント
インフルエンザは絶対湿度5g/m³以下で流行しやすいとされています。絶対湿度5g/m³以下の状況では、インフルエンザウイルスが長く生存しやすいのです。冬は湿度が低いため流行しやすくなります。ウイルスが生きやすい環境にしないためにも、加湿器などを利用して湿度を保ちましょう。

12. インフルエンザの予防接種

●インフルエンザ予防接種の効果
日本のインフルエンザ予防接種では、インフルエンザA型とB型の混合ウイルス抗原を投与します。あらかじめインフルエンザの抗原を体に入れて抗体をつくることで、免疫機能を高めるのです。
予防接種でインフルエンザの感染や発症を確実に予防できるというわけではありませんが、症状を軽くして重症化を防ぐ効果があります。

●インフルエンザ予防接種は何歳から受けられる?
インフルエンザの予防接種は生後6か月から受けることができます。生後6か月から12歳までは2~4週間あけて2回接種します。4週間あけることで効果が高まるため、スケジュールを事前に調整し、できる限り4週間あけて接種できるようにしましょう。

●インフルエンザ予防接種を受ける時期
インフルエンザの予防接種は、その効果が現れるまでにおよそ2週間かかります。インフルエンザは毎年12月頃に流行し始めますが、その頃には2回の接種を終えているのが理想です。
逆算すると、10月上旬に1回目を接種し、11月中には2回目の接種を受けるとよいといえます。スムーズに接種できるように、事前にスケジュールを立て、予約が必要かどうかなども医療機関に確認しておくとよいでしょう。

・インフルエンザ予防接種を受ける際の注意点
インフルエンザウイルスは毎年形が変化するため、予防接種も毎年受ける必要があります。シーズンになると医療機関が混みあったり、また、インフルエンザの予防接種は予約が必要で急に受診しても受けられなかったりというということがあります。医療機関に事前に確認しておきましょう。
また、人によりインフルエンザの予防接種での副作用が出ることがあります。見られる副作用反応としては、注射した部分の赤みや腫れ、頭痛、発熱などです。多くは2~3日でひいていきますが、重い卵アレルギーがある人の場合、まれにアナフィラキシーショックなど重篤な副作用が出ることがあります。接種の前に医師としっかり相談しておきましょう。


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