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2017/01/31

子どものアトピー性皮膚炎の治療

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子どものアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療と聞くと「なかなか治りにくい」「ステロイドの薬を塗り続けなければならないのでは?」など心配される方もいらっしゃるかと思います。アトピー性皮膚炎は、適切な治療を続ければ完治が期待できます。子どものアトピー性皮膚炎は、どんな治療を行うのか解説します。

アトピー性皮膚炎の治療は難しい?

アトピー性皮膚炎は重症度が中等レベル以下であれば、適切な治療を行うことで2~3歳までにほぼ100%完治するといわれています。しかし、全身に湿疹が見られるような重症の患者、食べ物やダニ・ホコリなど、様々なアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)がある患者は治癒が難しくなり、長期間に渡って治療が必要となります。

アトピー性皮膚炎ではどんな検査や治療が行われる?

アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因、環境因子(湿度や大気汚染など)、吸入アレルゲン(ダニやカビなど)、食物アレルゲンなどが原因といわれています。

治療にあたっては、まずは小児科で血液検査によりアレルギー検査を行い、アレルゲンを特定します。行われる検査が、IgE抗体検査です。ダニやそれぞれの食物に対するIgE抗体がどれくらいあるのかを調べることにより、アトピー性皮膚炎の原因となり得るアレルゲンの特定に役立ちます。IgE抗体価は値によって0~6のスコアに分けられ、スコアが高いほどそのアレルゲンに対しアレルギー反応が強いということになります。しかし、1歳になるまでは血液検査をしても反応が出にくいこともありますし、この検査だけで正しい診断ができるというわけでもありません。

治療はスキンケア、アレルゲン除去療法、そして薬物療法の大きく3つに分かれます。
スキンケアは、アトピー性皮膚炎の基本中の基本です。過敏な状態になっている皮膚から汚れや細菌などを取り除き、皮膚をできる限り清潔に保つことが重要です。アトピー性皮膚炎は肌にうるおいを保つ成分も不足しているため、シャワーやお風呂の後は必要に応じて外用薬などで保湿してあげましょう。IgE抗体検査などの検査でアレルゲンがわかったら、生活の中からそのアレルゲンを除去することも大切です。食物はもちろん、ダニやホコリ、ハウスダスト、ペットの毛など、アレルゲンは様々です。お子さんが小さいうちはアレルゲンの特定も難しいかもしれませんが、アレルゲンだと考えられるものは与えない、家の掃除を欠かさないなどの対策で、できる限りアレルゲン除去に努めましょう。

3つ目の薬物療法ですが、「ステロイド剤は危険」というイメージをお持ちの方もいるかと思います。しかし、ステロイド外用薬は医師の適切な診察と処方、使い方を守ればほぼ安全に使用することができます。アトピー性皮膚炎の原因には、心理的なことも関係しているという説があります。適切な量のステロイドを処方してもらい症状を抑えるのも、治療においては大切です。
アトピー性皮膚炎の治療は短期間に症状が改善するということは少なく、長期的な治療が必要な疾患と言われています。適切な治療を行えば2、3歳までには7~8割は完治すると言われています。小児アレルギー科の医師と相談の上、治療を続けましょう。


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