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日本脳炎の原因ウイルスを排除できないわけとは?

日本脳炎の原因は日本脳炎ウイルスへの感染です。日本脳炎ウイルスは、ブタの体内で増殖したウイルスを蚊が吸血し、ヒトを刺すことで広がります。原因となるウイルスを自然界から完全に排除することは難しく、予防が鍵となります。

日本脳炎の原因ウイルスとは

日本脳炎は、原因ウイルスとなる日本脳炎ウイルスへの感染により発症します。日本脳炎ウイルスは、ヒト以外のサルや豚などの哺乳動物や鳥がウイルスを保有しています。ウイルスは動物の体内で増え、それらの動物の血を吸血した蚊やダニが媒介となって感染を起こします。

日本脳炎の感染経路

日本脳炎ウイルスは、日本では田んぼなどにいるコガタアカイエカが媒介となります。まず、ブタ-蚊-ブタの間で日本脳炎が流行します。そして、日本脳炎ウイルスに感染したブタの血液を蚊が吸血し、その蚊がヒトを刺すことで感染します。その感染経路から、ブタの飼育が盛んな地域の近くで日本脳炎の発症が多くみられます。
蚊に刺されて感染しても、刺された人全員が日本脳炎を発症するわけではなく、ほとんどは無症状のまま経過し、100~1000人に1人が発症します。1~2週間の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、筋硬直、麻痺などの症状が現れ、20~40%が死に至ります。(参考:国立感染症研究所 日本脳炎とはhttp://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html
生存しても精神障害や麻痺などの後遺症が残る場合もあり、重篤な症状をきたす予後の悪い病気です。日本脳炎ウイルスに感染したヒトを刺した蚊が他のヒトを刺しても、ヒトが保有するウイルスの数は少ないので日本脳炎に感染することはありません。

なぜ、日本脳炎ウイルスは排除できないのか

日本脳炎ウイルスを治療する薬はなく、唯一ワクチン接種のみが日本脳炎の感染を予防する方法となります。主な感染源となるブタは、日本脳炎の感染による流産を防ぐために予防接種を受けますが、初産の雌ブタのみが予防接種を受けるので、その他のブタへの感染は防げません。また、ブタは繁殖率が高く、日本脳炎ウイルスに感染する個体数が多いこと、血液中でウイルスが増殖しやすく蚊がブタの血液を好むので感染が広がりやすいため、ブタからの日本脳炎ウイルス感染を断ち切ることはできません。日本脳炎の原因を排除することができない以上、ワクチン接種による予防、ウイルスを媒介する蚊の排除、蚊に刺されないための対策が重要です。

<まとめ>
日本脳炎の原因である日本脳炎ウイルスは、ブタの体内で増殖し、蚊が媒介となってヒトへと感染するため、根絶することは難しいウイルスです。そのため、蚊に刺されないようにする、予防接種を受けるなどの予防が大切です。


2017/02/14

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