網膜芽細胞腫

乳幼児に発症する「網膜芽細胞腫」の原因とは?

乳幼児に発症することがある網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は、網膜に悪性腫瘍が発生する病気です。なぜ、乳幼児の網膜に悪性腫瘍ができるのでしょうか。ここでは、網膜芽細胞腫の特徴や原因について解説します。

網膜に悪性腫瘍ができる網膜芽細胞腫

網膜芽細胞腫とは、網膜に生じる悪性腫瘍です。乳幼児に多い病気であり、瞳が白くみえることや斜視などの異変に家族が気づいてから受診するケースが多く、約95%が5歳までに診断されるといわれています。

網膜は、眼の奥にある薄い膜のような組織です。カメラのフィルムのような役割があり、外から入った光を映像として映し出します。そのため、網膜に腫瘍が発生すると視力が低下します。また、光が網膜の腫瘍に反射し、目が白く光って見える白色瞳孔という症状が現れることもあります。

網膜芽細胞腫の原因は、遺伝が関係する場合とそうでない場合が考えられていますが、いずれの場合もRB1遺伝子という癌抑制遺伝子に異常(変異)がみられることが原因です。

遺伝が原因の場合は他のがん発症に要注意

網膜芽細胞腫の原因が遺伝性であるケースは約40%であり、多くは両眼に発症します。残りの約60%は何らかの後天的な原因により発症する非遺伝性であり、片眼のみに発症することが多いです。後天的に変異が起こる原因は、未だ解明されていません。

また、両眼性の網膜芽細胞腫の原因はほぼ全てが遺伝性であり、片眼のみに発症した場合においても10?15%が遺伝性だといわれています。

遺伝性の網膜芽細胞腫の場合、全身のRB1遺伝子に異常をきたしている可能性があるため、将来的に骨肉腫など異なる種類のがんを発症するリスクがあります。原因が非遺伝性の場合、他のがんを発症するリスクが高まることはほとんどないでしょう。

網膜芽細胞腫の治療を早期に行えば、命に関わることは少なく治癒可能とされています。実際、日本をはじめとする先進国において、網膜芽細胞腫の治療後の5年生存率および10年生存率は共に90%を超えています 。

<まとめ>
網膜芽細胞腫は、乳幼児に発症する眼の病気です。癌抑制遺伝子の一種であるRB1遺伝子に異常が起こり、視力低下や白色瞳孔などの症状が現れます。早期に治療を行えば、命に関わることは少なく治癒可能です。


2017/02/16

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