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薬剤師直伝!妊娠中でも飲める便秘薬やツボとは!?

多くの女性が悩んでいる便秘。数日、排便がない場合だけでなく、排便はあってもお腹がスッキリしない場合は便秘と言えます。排泄物を身体に溜めておくと毒素が溜まり、肌荒れ、にきび、生理痛、イライラなどの症状が出やすくなります。便通が良いかどうかは、健康の大事なバロメーター。今回は薬剤師で鍼灸師の髙橋さんに便秘症に効果的な漢方薬とツボを教えてもらいました。

■普段の生活で便秘を改善するポイント

まず便秘を改善するために、普段の生活の中で実践できることはないか、まとめてみました。今日からでもできることなので、便秘に悩んでいる方は参考にしてみてください。

食物繊維の多い食事にする
欧米的な食事やジャンクフードの増加によって食物繊維が不足し、栄養バランスが悪いと便秘になりやすくなります。便を柔らかくする水溶性食物繊維と、便の量を増やす不溶性食物繊維の両方を摂るようにしましょう。発酵食品もオススメです。
朝食を取り、規則正しい生活習慣をつける
夜、寝ている間に副交感神経が活発化し、腸は動きやすくなります。その後、起床してご飯が胃に入ると、腸は螺動運動を開始し、スムーズな排便にいたるのです。そのため、夜更かしや朝食を食べない習慣を改めることが、便秘解消につながります。
軽い運動をする
軽い運動をして、腸の動きを活発にさせます。肛門を「きゅっ」と締める動作や腹筋を鍛える、お腹「の」の字マッサージ、左下腹部のS字結腸を左右に揺らす感じでマッサージすることなどが効果的です。
冷え、ストレスをためない
お腹が冷えていると腸の動きが鈍くなります。また精神的ストレスの強い状態でも、自律神経のバランスが崩れて便秘になりやすくなります。冷えやストレスを溜めないことも、便秘解消には大切です。
トイレを我慢しない
便意を感じたのにトイレに行くのを我慢していると、段々便意の反応が鈍くなります。便秘の習慣が付かないよう、便意を感じたらすぐトイレに行くようにしましょう。

■オススメの漢方

便秘に効果のある漢方薬は基本的には自己調節しながら、排便のないときだけ使用します。便秘症状が改善されてきたら医師、薬剤師、登録販売師に相談し、徐々に減らしていくなど服用量の調整をしましょう。
薬は体質と体力に合わせて選びましょう。自分の体質に合わない下剤は効きすぎて、胃腸が痛くなることもあるので注意が必要です。
以下に、体力のある人向けの薬から順に紹介します。ただし大黄(ダイオウ)が入っているものは流産の可能性があるので、妊娠中の人は服用前に医師や薬剤師に相談してください。

めぐりをよくして、便秘体質を改善していく薬:桃核承気湯(とうかくしょうきとう)


桃仁(トウニン)

体力のある人向け。もともとは月経トラブルやホルモンバランスを整える作用があり、顔色がよくてのぼせ気味、生理不順、生理に伴うイライラ、肩こり、便秘などのある人向けの薬です。
大黄(ダイオウ)など排便を促す成分と共に、瘀血(おけつ:血のめぐりが悪く、症状が進むと爪が紫になる)を取り去る桃仁(トウニン)が含まれています。瘀血体質が改善すると、便秘も改善されていきます。桂枝(ケイシ:シナモンのこと)が配合されているためアレルギーがある人は服用に注意が必要です。

便秘薬:大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)


大黄(ダイオウ)

2~3日出なくて苦しい人、コロコロした便が出て排便後すっきりするような体力がある人向け。漢方の便秘薬で一番使われる薬で、大黄(ダイオウ)に腸を動かす作用があり、甘草(カンゾウ)が便秘にともなう腹痛や排便時の痛みをやわらげます。

便秘薬:潤腸湯(じゅんちょうとう)


麻子仁(マシニン)

体力のない人でもOKで、コロコロ便にオススメです。上記の大黄(ダイオウ)に加え、潤す作用がある麻子仁(マシニン)、当帰(トウキ)、地黄(ジオウ)など身体を温めるような生薬も含まれています。身体を中から温めながら、便を潤すような薬です。

めぐりをよくして、便秘体質を改善していく薬:桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)


桂枝(シナモン)

便秘と下痢を繰り返す虚弱体質の人や、渋り腹(便意は催すものの、少量出るだけで排便の終わる感じがない状態)の人に向いています。身体を温める桂枝(ケイシ:シナモンのこと)、腹痛・排便痛を和らげる芍薬(シャクヤク)と甘草(カンゾウ)などが入っています。下剤は入っておらず、継続的に服用して腸の状態を良くしていく薬です。シナモンアレルギーの人は服用に注意が必要です。

また、民間療法になりますが、十薬(ジュウヤク:ドクダミのこと)も便秘に効果的とされています。

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十薬(ドクダミ)

お茶として普段飲んでいると、いつのまにか便秘が解消でき、デトックス効果がとても高いので美容にもうれしい効果があります。味が良くないので、好みのお茶とブレンドするのもオススメです。ノンカフェインで妊婦、授乳中でも安心ですが、飲みすぎには注意してください。


■オススメのツボ

ツボを指圧するときは、入浴中かお風呂上りが効果的です。呼吸に合わせてゆっくりと、息を吐きながら押し、吸いながら離すのがコツ。カイロでツボを温める方法もあります。 お灸は入浴の前後30分は皮膚がやけどしやすい状態になっているので避けましょう。熱すぎるときは無理せず外してください。

>>ツボの指圧方法やお灸などの治療器具について、詳しくはこちらをご覧ください。

それでは実際に、便秘を解消する4つのツボを刺激してみましょう。

天枢(てんすう)


おなか周りの調子を整えるツボで、おへそから指2本分、外側に離れた部分にあります。お腹の力を抜いて刺激すると効果があり、押しやすいです。仰向けなら枕などで頭を支える姿勢をとり、横向きで少し身体を曲げて腹筋の力を抜きましょう。リズミカルにプルプル刺激する感じで押したり、呼吸に合わせてゆっくり押すなど、押し方を工夫するのがオススメです。

大巨(だいこ)


人差し指と親指の骨が合流するところから、やや人差し指よりにあります。大腸と関係があるツボで、刺激すると大腸の動きが正常な状態に戻されます。便秘のほか、下痢にも効果があります。

合谷(ごうこく)


人差し指と親指の骨が合流するところから、やや人差し指よりにあります。大腸と関係があるツボで、刺激すると大腸の動きが正常な状態に戻されます。便秘のほか、下痢にも効果があります。

大腸兪(だいちょうゆ)


ちょうどウエストベルトの高さ(腰骨の左右を結ぶ高さ)で、背骨から指2本分外側の所にあるツボです。大腸と関係の深いツボで、刺激すればすぐに腸が動き出すのを実感できます。特にお灸がオススメですが、自分では難しいので家族にやってもらうとよいでしょう。

近年は、腸内環境を良くすることが美容や健康につながると広く知られるようになってきました。便秘気味で悩んでいる方は、生活習慣の改善はもちろんですが、漢方やツボ押しも上手に取り入れながら症状の改善につなげてみてください。


2015/03/18

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この記事の監修/執筆

薬剤師髙橋 公子