B群溶血性レンサ球菌

妊婦さんなら知っておきたい「B群溶血性レンサ球菌」とは!?

妊娠中の検査で「B群溶血性レンサ球菌」の有無について調べたところ、陽性反応の出る人がいます。子供たちを中心に「A群溶血性レンサ球菌感染症」(いわゆる溶連菌)が流行していると言われますが、この病気と何か関係はあるのでしょうか。また感染していたら、何か出産に悪い影響はあるのでしょうか。
今回は、妊婦さんは知っておきたい「B群溶血性レンサ球菌」感染症について、看護師さんに解説してもらいました。怖い病気ではないのか、と恐れるだけではなく、正しい知識を身につけて不安なく出産を迎えてくださいね。

■B群溶血性レンサ球菌とは?最近流行っている「溶連菌感染症」と違うの?

B群溶血性レンサ球菌は多くの人の身体に存在する常在菌の一種で、女性の腟や肛門周囲などにいることが多い菌です。通常は病原性を示さないので心配はいりませんが、まれに出産時、産道を通るタイミングで新生児に感染します(産道感染)。

新生児が感染すると肺炎、敗血症、髄膜炎など命に関わる症状が出ることもあるため、妊娠36週前後にB群溶血性レンサ球菌の検査を行うのが一般的です。別の検査で偶然、妊娠初期や中期にB群溶血性レンサ球菌の陽性反応が出ることもありますが、出産時にのみ影響のある菌ですのでそのときはあまり気にしなくても構いません。妊娠後期にもう一度、検査を受けましょう。

一方で冬季などに流行しやすい「溶連菌感染症」(A群溶血性レンサ球菌感染症)とは、名前は似ていますが別の菌によるものなので特性は異なります。誤解しないようにしましょう。

■B群溶血性レンサ球菌に注意しなければいけない人は?

B群溶血性レンサ球菌は常在菌の一つで、腸の中やのど、膣などに存在していて、通常は何の症状も見られません。しかし、新生児だけでなく、免疫力の低下している高齢者や妊婦さんは感染症を引き起こすことがあるので注意が必要です。

■妊娠中の検査でB群溶血性レンサ球菌に感染していると言われたら…

妊娠中にB群溶血性レンサ球菌の検査で陽性が出る人は20~30%位というデータがあり、それほど珍しいものではありません。検査で陽性が出た時は、新生児への感染予防のため抗生物質による治療が行われます。きちんと治療をすれば、分娩時に新生児への感染を防ぐことができますし、その後の影響を心配する必要もありません。
仮にB群溶血性レンサ球菌を保菌している母親が抗生物質を投与しないで出産し、新生児の皮膚表面からB群溶血性レンサ球菌が検出されても、新生児が感染症を発症するのは1~2%程度と言われています。

「B群溶血性レンサ球菌」の名前だけを聞くと怖い病気のようですが、多くの妊婦さんが持っている菌だと聞いて安心された方も多いと思います。妊婦健診で見つかることもよくあるので、医師の指示に従って適切な処置を受ければ出産にも問題はありません。流行中の「A群溶血性レンサ球菌感染症」と混同して過度に心配したりせず、ゆったりとした気分で出産に備えましょう。


2015/03/21

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