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2017/03/01

塩分の摂りすぎは、どうしてカラダに悪いの?

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

塩分の摂りすぎは、どうしてカラダに悪いの?

近年は健康についての情報が身近になり、「減塩」という言葉を聞くことが多くなりました。
漠然と「減塩は健康」と思っている方も少なくないでしょう。
実際、減塩はなぜ身体に良いと言われているのでしょうか。
塩分と身体の関係を知り、塩分と上手に付き合う方法を知りましょう。

塩の働き

塩は、ナトリウムと塩素の化合物です。
体内では「ナトリウム」が必須ミネラルとしてさまざまな働きをしています。
ナトリウムの働きはおもに4つあります。

1.体内の塩分濃度を調整する

体内の塩分濃度は約0.85%に保たれています。身体の塩分濃度の調節には、ナトリウムとカリウムが関わっています。
細胞内にはカリウムが、細胞外にはナトリウムが多く存在しています。
細胞内の塩分濃度が高くなると、細胞外にあるカリウムと交換でナトリウムを排出し、濃度を一定に保ちます。

また細胞外の塩分濃度が高くなると、ナトリウムは骨に吸収され、反対に塩分濃度が低くなると骨中のナトリウムが放出されます。
このようにして、身体の塩分濃度は一定に保たれているのです。

2.酸・アルカリのバランスを調整する

ヒトの体液は弱アルカリ性に保たれています。
たとえば、激しい運動をして乳酸が産生・蓄積されたときや飢餓状態になったとき、一時的に血液に酸性物質が多くなります。
このようなとき、ナトリウムによって中和、調整されて、弱アルカリ性を保っています。

3.神経伝達や筋肉の収縮・弛緩を助ける

神経系で行われる情報の伝達や筋肉の収縮・弛緩の指令は、電気信号によって伝えられます。
この電気信号は、細胞内のカリウムと細胞外のナトリウムが入れ替わることで発生しています。

4.栄養素の吸収を助ける

糖質の分解物であるグルコースやたんぱく質の分解物であるアミノ酸、カルシウムなど、ほかの栄養素の吸収を助けます。
上記から、塩分から摂取するナトリウムは身体にとって必要不可欠であることがわかりますね。

塩分の適量

健康な成人の一日の食塩摂取量は、男性8.0g未満、女性7.0g未満とされています(日本人の食事摂取基準2015年版 食塩摂取量の目標量)。
また、高血圧の治療が必要な人は6g以下、腎臓疾患を持つ方は、状態によって3~6g以内を目標とされます。
ちなみに、WHO(世界保健機関)による減塩目標は5g。

日本は塩分が多い醤油や味噌などの調味料の使用や漬物など塩による保存が多い文化的背景から、上記のような目標となっているようです。
塩は、汗や便、尿によって身体の外へ出ていきます。激しいスポーツなど汗をかくときや下痢をしているときなどは、適量に関わらず塩分補給も重要です。

一方で、摂りすぎると身体にさまざまな影響を与えるのです。
どのよう症状が現れるか、みていきましょう。

塩を摂りすぎたときに起こる症状

のどが渇く

摂取したナトリウムが過剰になり、ナトリウムの運び役のカリウムとのバランスが崩れると、カリウムの代わりに水分を取り込み、塩分濃度を薄めようとします。
塩分濃度を薄めるために水を欲する指令が出て、のどが渇くのです。

血圧が上がる

血圧とは、血管の壁にかかる圧力のことです。塩分濃度を薄めるために水分が増え、血液量が増し、血圧が高くなります。

むくみ

溜め込んだ水分が細胞からあふれると、細胞周囲にたまり、「むくみ」となります。
さらに、慢性的な塩分の過剰摂取は、病気を発症させる可能性もあります。どんな病気のリスクがあるのか、次からご説明します。

塩の摂りすぎが影響する病気

高血圧症

塩分の過剰摂取は血圧を上げると解説しましたが、慢性的に血圧が上がった状態が続くと、高血圧症になります。
そうすると、血管が傷み、突然の脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性も高まります。

不整脈・虚血性心疾患

心臓は、心臓の筋肉にナトリウムとカリウムによって起こる電気信号が伝わることで動いています。
塩分の過剰摂取が続くと信号に異常が起こり、心臓の鼓動が不規則になります。
これを不整脈と言います。

ひどい状態になると、心臓の筋肉への血流が悪くなり、酸素不足や栄養不足による虚血性心疾患を起こしてしまいます。
虚血性心疾患とは、狭心症や心筋梗塞などを言います。

腎臓疾患

塩分の過剰摂取が続くと、ナトリウムを外に排出するために腎臓に通常以上に負担がかかります。
負担がかかり続けると、徐々に機能が衰え、腎臓疾患の原因になる可能性が高まります。

胃がん

胃の中で塩分濃度が高まると粘膜が傷み、胃炎を起こしやすくなります。
そうすると、発がん性物質の影響を受けやすくなり、胃がんになるリスクが高まると考えられています。

塩分と上手に付き合う方法

塩分は少なすぎても、身体の不調を起こします。
しかし、過度に汗をかくスポーツなどをしていない限り、1日3回食事をしていれば塩分不足を心配する必要はありません。
むしろ過剰になりやすい栄養素です。塩分を多く含む汁物や漬物、加工食品などは重ならないよう1食・1日で調節をしたり、麺類のつゆは1杯で3~4gにもなるため、残すようにすると塩分摂取を控えることができます。

また、いくら薄味であっても量が多ければ身体に入る塩分量は多くなるため、腹八分目を心がけることも大切です。
食事に含まれる塩分を量ることは容易ではありません。
できることを毎日・毎食で心がけ、塩分を上手にとり入れましょう。

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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