授乳量

おっぱいを飲みすぎて子どもが太っています

赤ちゃんにとって母乳は大事な栄養源。しかし、泣く度にあげていたら子どもが肥満気味になってしまったというお母さんからの相談に、看護師さん達はどう答えているのでしょうか。

20代女性からの質問:「母乳の飲みすぎで肥満気味です」

7カ月の娘が泣く度に母乳を与えていたところ、母乳を飲むのが癖になってしまいました。1日中飲んでいるのが当たり前です。生まれた頃は適正な体重だったのに、最近は肥満レベル。お腹も膨らんできて、腕や足もはちきれそうです。かといって泣いている時に母乳を与えないとかわいそうに思えて困っています。離乳食もあまり進まず母乳が好きなようで、太ることによる健康面が不安です。大丈夫でしょうか。 (20代・女性)

現時点では特に問題はなし

肥満気味の赤ちゃんでも2歳までには通常の体型になるケースが多く、今はあまり心配しなくてもよいようです。また、この月齢では離乳食は栄養を補う程度に考えていいとのこと。

赤ちゃんは成長すると母乳だけでは栄養が不足するため、離乳食は母乳では足りない栄養の捕食とお考えください。7カ月の赤ちゃんですと、母乳以外に1日に2~3食の離乳食が必要といわれています。おっぱいは2歳ころまであげてもよいという意見や、離乳食を進めるためには、早めに断乳したほうがよいという意見もあります。(産科・婦人科看護師)
赤ちゃんの体型はほとんどの場合が体質なので、肥満気味であったとしても2歳までには身長が伸び普通の体型になることが多いです。現時点で心配はいりませんが、2歳を過ぎて体重が増えてきた場合は、生活習慣病に結びつく肥満になる可能性があるため食べ物に注意が必要です。(一般内科看護師)

他で気を紛らわせる工夫を

赤ちゃんが太っていたとしても過度の心配は不要で、母乳をあげる量を制限する必要はありません。しかし、専門家からは母乳をあげ続けることに問題はなくても、泣く度にあげる習慣は変えるべきという意見もありました。

口寂しさを紛らわせたり、他に気を向けさせたりする工夫が必要です。

子どもの成長過程にもより、栄養不足のほうが問題なので、無理に母乳をやめる必要はありません。しかし1日中飲むのは心配なので、お子さんが泣いてもすぐにあげず、おしゃぶりを使用するなど工夫をしてみてください。かわいそうと思うと、いつまでも離れられなくなります。成長すれば母乳だけでは足りなくなり、離乳食も食べるようになると思います。少しずつ授乳の回数を減らしてください。(産科・婦人科看護師)
1日中母乳を飲んでいるのは改善すべきです。生後7カ月では授乳回数は約3~4時間毎で1日5~6回です。泣いたらあげるのではなく、抱っこや遊びで気を紛らわすようにしてみましょう。(一般内科看護師)
ベビー麦茶や赤ちゃん用の100%野菜や果物ジュースを薄めて与えるのはいかがでしょうか?口寂しいだけなら母乳でなくても大丈夫かと思います。但しジュース類は砂糖や塩分が多く含まれているものがありますので注意してください。日中は散歩や遊びに連れ出すと、気を紛らわせる効果があります。また、同時に運動させるようにしてみましょう。(一般内科看護師)

肥満気味であることは今の時点で心配する必要はないようです。ただし1日母乳を飲み続けている習慣は改善し、他のことで気を紛らわせる方法を考えていきましょう。

また、より具体的なアドバイスを聞きたい場合は育児相談などで一度専門家に相談をしてみましょう。

このように、赤ちゃんが母乳をよく飲み肥満気味であることは今の時点では心配いりませんが、実際に赤ちゃんが飲んでいる母乳や粉ミルクのカロリーについては気になるというママも多いのではないでしょうか。

また、ママがとった食事と母乳のカロリーとの関係も気になるところです。次からは、母乳とカロリーとの関係を順番にご紹介します。

母乳のカロリーはいくら?

■大体の母乳のカロリー

母乳のカロリーは100mlあたり60~70キロカロリーだといわれています。母乳には、体の組織をつくるタンパク質、エネルギー源となる脂肪、脳の成長に必要な乳糖、ビタミンやミネラルといった赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素が含まれています。

また、ミルクには含まれない免疫物質や消化酵素といった栄養素も含まれています。

■粉ミルクとの比較

粉ミルクのカロリーは100mlあたり65~70キロカロリーです。母乳と粉ミルクのカロリーはほとんど変わらないといってよいでしょう。

粉ミルクには、タンパク質、脂質、炭水化物などの栄養素が母乳よりもたくさん含まれています。そのため、母乳よりもミルクのほうが太りやすいといわれています。

■粉ミルクを飲ませる時の注意点

母乳と粉ミルクは消化にかかる時間が違います。赤ちゃんが飲んだ母乳が胃の中で半分になる時間は47分、ミルクは65分かかるといわれています。

母乳よりもタンパク質などの栄養素がたくさん含まれているミルクは、消化時間が母乳よりも長くかかることから、授乳間隔をあけて赤ちゃんに飲ませなければいけません。授乳間隔を十分にあけずにミルクを与えてしまうと、体重増加の原因となり、赤ちゃんが太り過ぎになることも。

母乳に粉ミルクを足す混合育児や、粉ミルク育児をしている場合は、量と授乳間隔をしっかり守って授乳するようにしましょう。

■太りにくいのは母乳育児?

母乳育児は粉ミルク育児よりも、将来の肥満のリスクを7〜24%減少させるといわれています。また、ミルクには含まれない大切な栄養素を赤ちゃんに届けることができることや、赤ちゃんとの触れ合いの時間を増やせることからも、母乳育児が大切であるといわれます。

このような理由から、出産後は自然と完全母乳を目指すママもいることでしょう。しかし、完全母乳を徹底しすぎてしまうと、ママが十分に休むことができず体調不良の原因になることがあります。

また、思うように母乳が出ず、自分を責めてしまいストレスをためてしまうママも。太りにくいのは母乳育児ですが、完璧を目指さないことが大切です。
必要であれば適度に粉ミルクも利用し、授乳をストレスなく楽しみましょう。

授乳中に甘いものやお菓子を食べると母乳のカロリーが高くなる?

■授乳中に甘いものを食べるとどうなる?

授乳中に甘いものを食べたとしても、食べたものがよほど偏っていない限り、母乳の質は変わりません。

また、生クリームなどの脂肪分を多く含む食品や油分を摂取しすぎると乳腺炎になりやすいといわれますが、これらが乳腺炎の直接の原因にはならない、という調査結果がそろい始めています。

授乳中に甘いものは控えたほうが良いという声も聞かれますが、特に制限をする必要はありません。ただし、甘いものを食べ過ぎてしまい、ママの栄養価が偏ってしまってはよくありません。栄養のある野菜や果物、豆類、イモ類、魚、肉、乳製品などをバランスよく食べることが大切です。

■母乳のカロリーとの関係

授乳中に母親が高カロリーの食事をしていても、母乳のカロリーは変わりません。過度に食事の量が増えなければ、それほどカロリーを気にしなくてもよいでしょう。

また、授乳している時期の母親は授乳をすることで1日約500キロカロリーほど多くカロリーを消費します。いつもより多く消費されるカロリーを補うためにも、食事制限をする必要はないでしょう。
赤ちゃんに栄養をしっかりと届けるため、さまざまな食材をバランスよく食べるとようにしましょう。ただし、いくら通常時と比べてカロリー消費量が多いといっても、過度に食べ過ぎてしまうと太り過ぎの原因になりますので注意しましょう。

また、カロリー消費量が増えることで食欲が増すこともあります。あくまでも普段と変わらない健康的な食事をすることがポイントです。
産後、少しずつ動けるようになったら育児の合間に運動量を増やすなどして、体調管理にも気を配れるとよいでしょう。

■食事によって母乳での太りやすさが左右される?

母親の食事によって母乳での太りやすさは左右されません。赤ちゃんが太っていたり大きめだったりする場合は、よく母乳が出ていてよく飲んでいる、というだけのことが多いようです。

赤ちゃんの体重が成長曲線内であれば、過度に体重増加を気にする必要はなく、食事量を減らすといったダイエットの必要もありません。赤ちゃんが成長し、寝返りやハイハイ、つかまり立ちなどをはじめると自然と運動量が増えます。

その頃には身長も伸び、適正体重になるといわれますので、特に食事制限はさせず、このまま様子を見るとよいでしょう。

■ストレスなく母乳育児を続けよう

赤ちゃんが肥満気味であっても今の時点で心配する必要はありませんが、1日中母乳を飲み続けているようであれば改善したほうがよいでしょう。

また、赤ちゃんが飲んでいる母乳はママが食べたものが極端に偏っていない限り、質は大きく変わりません。授乳中も適度に甘いものを食べることは悪いことではありませんので、ストレスなく楽しく母乳育児を続けていきましょう。

参考URL:
授乳中の食事は母乳に影響する?栄養と食の基本


2018/11/26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事(Q&Aコメント)