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2017/04/14

子どもの消化性潰瘍。年齢別の特徴と主な原因

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子どもの消化性潰瘍。年齢別の特徴と主な原因

胃や十二指腸等の消化管の粘膜やその下にある組織が傷付き消失した状態を、消化性潰瘍といいます。胃や十二指腸の表面は粘膜上皮で覆われ、その上皮が粘液を出して胃酸から守っていますが、何らかの原因で粘膜上皮が傷つくと、粘液の保護が取れてしまい、胃酸で管が溶けてしまいます。今回は子どもの消化性潰瘍について解説します。

消化性潰瘍とは?

臓器にある粘膜や粘膜下が障害され、消失した状態が潰瘍です。胃にできたものを胃潰瘍、十二指腸にできたものを十二指腸潰瘍といい、これらをまとめて消化性潰瘍といいます。

子どもの消化性潰瘍の特徴

大人の場合、消化性潰瘍はピロリ菌の感染が原因ですが、子どもの場合はこれに加えて時期により発症要因に違いが見られます。子ども特有の発症要因と主な症状は、以下の通りです。

(1)新生児
出生時のストレスや低酸素等の障害が原因です。

(2)乳児期~幼児期
ステロイドなどの薬剤によるストレスが原因です。下血や吐血が多く、乳児の場合は授乳後にぐずることがあります。特に幼児期では嘔吐や腹痛が現れます。

(3)学童期
心因性のストレスが主な原因です。上腹部の限定的な部分に痛みを訴えます。

これらの症状の他、年齢を問わず起こる症状として器官に穴が空く穿孔(せんこう)、出血、閉塞を生じることがあります。

消化性潰瘍の診断

消化性潰瘍の診断は、主に2つの検査により下されます。

◆バリウムを飲んだ上でのX線撮影
◆胃カメラによる胃や十二指腸潰瘍の粘膜の確認

大人の場合はX線撮影やバリウム検査を行わずに、胃カメラで粘膜の状態を直接観察するケースが多いです。しかし、子どもの場合は胃カメラを行う場合に全身麻酔が必要になるため、X線撮影やバリウム検査を行った後、最終手段として胃カメラを用いた検査を行います。

消化性潰瘍の治療

消化性潰瘍の主な治療は、酸分泌抑制薬を使用します。ピロリ菌が発見された場合は、内服薬による除菌療法を行う場合があります。副作用として下痢や味覚異常等を生じるうえに大人の場合は再発のリスクがありますが、5歳以下の子どもの場合は原因菌を除去できれば再発の心配はほとんどありません。
出血が見られる場合は内視鏡手術により止血し、必要に応じて輸血します。内視鏡手術での止血が難しい場合や、腸管に穴が空いている場合は外科手術を行うことになります。


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