症状から探す

乳幼児や子どもに急増する食物アレルギー

子どもの食物アレルギーは、乳幼児に発症し年齢と共に改善していく傾向にあります。しかし、ときにアナフィラキシーショックという命に関わる重篤な症状を引き起こす可能性もあります。今回は、食物アレルギーの原因や症状を解説します。

子どもが食物アレルギーを起こす原因は?

食物アレルギーとは、食べ物が原因で起こるアレルギーのことで、軽度のものも含め10人に1人が発症しているといわれています。人の体には、外部からの異物を防ぐために働く免疫機能があります。その免疫がときに過剰に作用して食べ物に反応し、蕁麻疹などのアレルギーの症状を引き起こします。

アレルギーを引き起こす物質はアレルゲンと呼ばれるタンパク質です。アレルゲンが体内に侵入すると免疫細胞が異物と認識して(Ⅰ型アレルギーの場合)「IgE抗体」を作ります。作られたIgE抗体は、肥満細胞とくっついて待機しており、再びアレルゲンが入ると反応し、肥満細胞から原因物質(ヒスタミンなど)が作られ、痒みや鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。食物中のタンパク質は消化されるとアミノ酸にまで分解されるため、異物とは認識されません。しかし、子どもの場合(特に赤ちゃん)は、消化機能がまだ未熟なためにタンパク質を分解しきれません。そのため、ある種のタンパク質がアレルゲンとみなされIgE抗体が作られやすく、アレルギーを発症しやすいとされています。

子どもの食物アレルギーの症状

子どもにみられる症状は、喉の痒みや違和感、唇の腫れ、目のかゆみ、充血や涙目などがあります。これらの症状は自分で訴えられる年齢にならないと、子どもの様子でしか判断できないため、親の観察が必要です。腹痛や下痢もしくは便秘、皮膚の痒みや蕁麻疹、湿疹など皮膚に変化があるときは、見た目でアレルギーを発症しているのが分かります。皮膚の乾燥が起こることもあります。酷くなるとゼイゼイ、ヒューヒューなどの喘鳴症状や呼吸困難を起こすアナフィラキシーショック症状を起こします。アナフィラキシーショックとは、複数の臓器に症状がでる全身性症状で、血圧が下がる、意識を失うなど命に関わります。アナフィラキシーショックは、食物摂取後30分以内の間に一番起こるといわれています。

卵や牛乳、小麦、そば、魚、ピーナッツなどで酷いアレルギー症状が出ることも多いです。長引く酷い下痢や血便を発見したら、すぐに受診してください。先天性乳糖不耐症など、食物アレルギー以外の病気の可能性もあります。

食物アレルギーは、症状が現れるまでの時間によって即時型か非即時型の2つに分けられます。「即時型」の場合、食べて数分後~約1時間以内に喉や鼻などに違和感や、蕁麻疹などの症状が現れます。呼吸器系の症状(喘鳴、咳や鼻水)と、消化器系の症状(下痢、腹痛、嘔吐)の症状が酷い場合は、病院へ行きましょう。このような酷い症状が現れたときは、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。アレルギー症状が重複し何種類も出ていたり、呼吸が苦しそうな症状があればすぐに病院へいってください。
「非即時型」の場合、飲食してから数時間後に症状が現れるのが特徴で、24時間~48時間以上経過してからの場合もあります。非即時型は、消化器系の症状である下痢や、便に血が交じったり、反対に便秘になったりします。皮膚系の症状の特徴として、アトピー性皮膚炎が悪化したり、むくみや湿疹などが現れます。アレルギー症状としては、即時型の方が強い症状がみられることが多いです。蕁麻疹症状以外に、激しい下痢や血便、体重減少などがあれば非即時型の可能性が考えられます。

食物アレルギーの治療法

食物アレルギー自体を治す薬はなく、アレルギーを起こす食品を摂取しない方法がとられます。1人1人のアレルギーの度合いを考慮したうえで、治療を行います。乳幼児の頃から治療を始め、少量ずつ慣れさせていずれは普通に食べられるようになることを目指しています。子どもの場合は成長に必要な栄養源もありますので、代替え食品などを食事指導で学びます。最近の治療方法では、完全に除去するわけではなく、
①食べるとアレルギーが誘発される食べ物だけを除去する。
②アレルギーの原因食物でも、症状がでない程度の「食べられる範囲」までは食べてよい、
という方針です。
食物アレルギーは、年齢と共に消化管の機能が発達し、粘膜や免疫の働きも強くなることで少しずつ改善されていきます。


2017/04/27

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