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突然発作を起こす子どものてんかんの種類と治療

てんかんは、乳幼児からお年寄りまで起こる病気で、100人に1人がてんかんの発作を起こすといわれています。てんかんは、脳の慢性疾患ともいわれ年齢問わず起こる脳の病気で、発作を繰り返すという特徴があります。今回は、子どものてんかんの種類や症状を解説します。

子どものてんかんの原因と分類型

てんかんは、脳の神経細胞が過剰な興奮により発作を起こし、しばしば繰り返すのが特徴です。脳のどの部位で電気的な興奮が起こるかにより、発作の種類が異なります。子どもの場合、発作の起こる場所がほぼ同じなため、繰り返し同じ発作を起こします。

てんかんは、全般てんかんと部分てんかんに分けられます。さらに、発作を引き起こす原因によって、症候性と特発性に分けられます。原因と発作の型の組み合わせによって、症候性全般てんかん、症候性部分てんかん、特発性全般てんかん、特発性部分てんかんと言われます。特に乳幼児期に多いのが症候性全般てんかんで、特発性全般てんかん、特発部分てんかんの順に続きます。

症候性てんかんは、脳の一部が傷ついたことが原因で起こります。例えば、母親の胎内や分娩時に大脳が傷ついた場合に発症します。また、先天性奇形(生まれもっての脳の奇形)や、先天性代謝異常(生まれつき毒素や老廃物を分解する酵素がない)が関与している場合もあります。特に3歳頃までの乳幼児が発作を起こしやすいといわれています。

特発性てんかんは、脳の検査をしても原因は分からず、遺伝的な要素が関係していると考えられています。発作を起こしても一定の年月が経つと発作回数が減り、発作自体が起こらなくなることもあります。早めに治療することで回復が早まると考えられており、治療開始が遅れると症状が長期間続くこともあるといわれています。

発作型の各特徴として、全般てんかん発作は脳全体に異常が現れ、発作を起こした時点で通常意識がありません。一方、部分てんかん発作は脳のある部分から異常が始まり、けいれんが身体の一部分で起こります。それが他の場所へ広がったり、自律神経症状(下痢や腹痛)が現れるときもあります。

子どもに多く見られるてんかんの型

子どもに多いてんかんは、良性小児てんかん(中心・側頭部に棘波をもつ)や、小児欠神てんかん、若年ミオクロニーてんかんです。良性小児てんかんの場合、就寝直後や起床時などの寝起きに起こりやすく、顔(特に唇)がピクピクしたり痺れたり、全身けいれんなどの症状が現れます。発作時間が短く、発作回数が少なく、一定の年齢で自然に治まります。発作回数が多いときや日中に発作を起こす場合は、治療を行います。

小児欠神てんかんは、何かをしている最中に動きが突然止まり、呼びかけにも応えません。しかし、30秒程度で症状は治まり、元通り動き始めます。1日に何十回と症状がみられることもあり、笛を吹いたりスープを吹いて冷ます動作などが引き金になるようです。小児欠神てんかんは10歳までの女児に多くみられ、12歳頃には治癒することが多いです。
若年ミオクロニーてんかんの特徴は、持っている物を落とす、投げるなどの症状が現れるミオクロニー発作と強直間代発作が現れます。また、数十秒間にわたり意識がなくなりけいれんを起こしたり、倒れたりはしない欠神発作も一緒に出ることがあります。てんかんの発作だと気づかれず過ごしていることもあり、強直間代発作を起こし初めて気づかれることも多い病気です。抗てんかん薬により発作を抑えることはできますが、治療を中止するとまた発作が現れるので長期間の治療を要します。

子どものてんかんは、一生続くのか?

発作を起こした状況や、症状から発作の種類を考えます。年齢、親族の神経の病気の方の有無、脳波などの検査を行い診断し、治療を決めていきます。

抗てんかん薬治療では、毎日欠かさず抗てんかん薬を飲みます。治療は最低でも約2~5年はかかるといわれています。大脳の両側にまたがる広い範囲で過剰な興奮が起こる全般発作と脳の一部に限定されて起こる部分発作では処方される薬も違いますが、海外でしか使用できなかった薬も日本で認可されつつあり、有効治療の幅も増えてきています。

外科的治療は、抗てんかん薬を2種類以上2年以上服薬しても発作が治まらないときに医師より提案されることがあります。発作時の転倒や、その他のてんかんの症状によって患者の危険性が高い場合に、治療の一つとして考えられます。以前は原因である脳の一部を切り取る手術が一般的でしたが、近年では大脳全体の発作抑制力を高める迷走神経刺激療法(VNS)が日本でも行えるようになりました。VNSは、開頭手術が不要なことと刺激をいつでもやめられることが大きな長所です。
しかし、研修を修了したてんかん専門医のいる施設でしか行えません。

まとめ

子どものてんかん発作は、早期治療で治癒することが可能です。発作を起こしたらすぐに受診してください。抗ヒスタミン薬やテオフィリン製剤の服用、発熱などが原因で発作を起こすことも多いので注意が必要です。規則正しい生活習慣が大切で、睡眠不足や疲労蓄積は発作を起こしやすいです。テレビゲームなどの強い光の刺激もあまり良くないので連続で見ないようにし、必ず休憩しましょう。


2017/04/29

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