血尿

感染症に伴う子どもの急性糸球体腎炎

腎臓に異常が起こると、尿に蛋白や赤血球などが混じる場合があります。急性糸球体腎炎は腎臓にある糸球体と呼ばれる毛細血管の塊に炎症が起こり、血液のろ過機能が低下する病気です。今回は、急性糸球体腎炎について解説します。

急性糸球体腎炎とは

急性糸球体腎炎とは、多くが何らかの感染症が原因で糸球体が炎症を起こしている状態です。
腎臓には、糸球体という毛細血管の塊があります。腎臓へ流れ込んできた血液をろ過し、必要な成分を血液に戻して不要な成分や物質を尿中に排泄する役割を果たしています。
糸球体の細い血管に炎症が起こると、血液を十分にろ過できなくなります。その結果、尿量が減少し、体内の水分や塩分が過剰になります。これにより、血圧の上昇やむくみ、老廃物が蓄積されます。高血圧が原因で吐き気や嘔吐、頭痛などが現れることもあります。糸球体に障害が起こることで、血尿も伴います。また、長時間立っていると下肢がむくむようになります。重症な例では、けいれんや意識障害などが起こります。

急性糸球体腎炎の原因

急性糸球体腎炎は2~10歳の小児にみられることが多く、主に連鎖球菌(溶連菌)が引き起こす咽頭や皮膚の感染症に合併します。発症のタイミングは感染症からの回復後です。また、水痘ウイルスや黄色ブドウ球菌などの細菌感染症も原因になることがあります。

急性糸球体腎炎は、以下の病気に併発することがあります。

(1)ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
紫がかった斑点や、あざのような発疹が現れる病気です

(2)全身性エリテマトーデス(SLE)
発熱や発疹など、全身に多様な症状が現れる自己免疫疾患です。

急性糸球体腎炎の検査と治療

急性糸球体腎炎の場合、尿検査をすると血尿と蛋白尿がみられます。連鎖球菌による感染症を確認し、免疫反応や感染防御に関わる蛋白質の量が低下している場合に、急性糸球体腎炎と診断されます。

高血圧や尿量の減少、血尿などがみられる間は安静にしなければなりません。また、症状に応じて水分や塩分、蛋白質の摂取制限が必要です。尿量の減少に対しては利尿剤を、高血圧に対しては降圧剤を使用する場合があります。むくみや高血圧は7~10日で軽快しますが、血尿は2~6カ月ほど続きます。これらの症状が改善されるまでは、過度な運動や過労を避ける必要がありますが、約1年で完治することが多いようです。


2017/05/02

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