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肝機能の低下を招く子どものウイルス性肝炎

肝臓は、血液中のホルモンや毒物などを代謝する臓器です。ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスに感染することで肝臓の細胞が破壊される病気です。今回は、肝機能の低下を招く子どものウイルス性肝炎について解説します。

ウイルス性肝炎とは

肝臓の細胞は、破壊されても速やかに再生されますが、肝炎ウイルスに感染すると肝臓の機能が低下して肝臓が線維化し、肝臓の細胞が再生できない事態に陥ります。肝炎ウイルスにはA~E型まであり、それぞれ次のような肝炎を招きます。

(1)慢性肝炎
C型、B型肝炎ウイルスが原因になることが多いです。軽度の肝障害が長期間に渡り続き、少しずつ肝臓が線維化して肝硬変や肝がんを招く恐れがあります。

(2)急性肝炎
A型、B型、C型、E型肝炎ウイルスが原因です。急速に肝細胞が破壊されますが、自然に治癒するようです。C型肝炎は慢性化することがあるため薬物治療を行います。

(3)劇症肝炎
急性肝炎を発症後、8週間以内に高度の肝機能障害や脳症などが起こります。

ウイルス性肝炎の症状

ウイルス性肝炎の症状は、突然現れることが多いです。食欲不振や吐き気、嘔吐などに加えて発熱や肝臓の痛み(右上腹部痛)を伴うことがあります。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎では、関節痛や赤い蕁麻疹のような発疹が現れることがあります。数日が経過すると尿の色が濃くなり、黄疸が現れます。これは、ビリルビンという肝臓で作られる緑がかった黄色の消化液が血液中に増加するためです。黄疸は、ウイルス性肝炎を発症後1~2週間で強く現れ、2~4週間後から消失していきます。
A型肝炎ウイルスによる肝炎では、便の色が薄くなる、全身のかゆみ、胆汁が停滞する症状が現れることがあります。

ウイルス性肝炎の予防

小児とウイルス感染のリスクが高い成人には、A型肝炎ウイルスのワクチンの接種が勧められています。B型肝炎ウイルスのワクチンの接種は、年齢問わず全ての人に、E型肝炎ウイルスによる肝炎が流行している地域では、E型肝炎ワクチンの接種も推奨されます。
ワクチンは免疫系に少しずつ働きかけてウイルスに対する抗体を作るもので、効果を発揮するまでに数週間かかります。

<まとめ>
ウイルス性肝炎は、A~E型まである肝炎ウイルスに感染することで発症します。特に、A型とB型肝炎ウイルスのワクチン接種が推奨されています。肝硬変や肝がんなど生命に危険が及ぶ病気を招く恐れがあるため、子どもにはワクチンを接種させましょう。


2017/05/03

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