腹部膨満

虫垂炎に似ているメッケル憩室

メッケル憩室は、胎児のへその緒と小腸の間に一時的に生じる卵黄管という管が消失せずに残ることが原因だと考えられています。消失せずに残る理由は、未だに解明されていません。今回は、子どもにみられるメッケル憩室について解説します。

メッケル憩室とは

管状の臓器や袋状の臓器の壁の一部が、外側へと飛び出て袋状になることがあります。これを憩室といい、小腸にみられる袋状の突起物のことをメッケル憩室といいます。メッケル憩室は通常では腸粘膜で覆われています。しかし、一部を胃粘膜(異所性胃粘膜といいます)が覆い、胃粘膜から胃酸が分泌されて小腸に潰瘍を作ることがあります。潰瘍から出血すると、黒い便や鮮血が混ざった便などが排泄されます。

幼児期にみられることが多く、症状が進行するとショック状態を起こすことも

出血は幼児期にみられることが多く、突然大量出血することがあります。また、腸が腸の中に入り込む腸重積や、腸が閉塞して内容物が詰まる腸閉塞などを誘発し、腹痛や嘔吐、腹部膨満などの症状が現れます。メッケル憩室が炎症を起こすと発熱や腹痛などが起こりますが、虫垂炎と間違われる場合があります。

また、メッケル憩室に穴が空くと、胃液や便が漏れ出して腹膜炎を起こすことがあります。急激な腹痛が突発的に起こり、次第に痛みが腹部全体へと拡がります。また、吐き気や嘔吐、発熱、脈が速くなり、症状が進行すると脱水やショック状態などを起こすことがあります。

メッケル憩室は診断が難しい

メッケル憩室は、血液検査やCTスキャン、バリウムなどでは診断が難しいことがあります。そのため、メッケル憩室に炎症や潰瘍などが起こらない場合は、気づかないこともあります。メッケル憩室に異常が起こらない場合は、治療は必要ありません。しかし、手術を行う際などに発見された場合は、病気の合併症を防ぐために切除することが多いようです。

診断には、人体に悪影響を与えない程度の放射性物質(放射性同位体)を静脈内に投与し、放射線検出用カメラでその物質を検出するシンチグラフィー検査を行います。メッケル憩室には異所性の胃粘膜があるため、胃粘膜に蓄積するテクネチウムという放射性同位体を投与して検出します。


2017/05/03

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