目やにがたくさん出る

鼻と目をつなぐ鼻涙管が詰まる子どもの涙嚢炎

涙嚢は、眼から出た涙が流れ込む袋状の器官です。涙嚢炎はこの部位に炎症が起こり、腫れたり膿状の目やになどの症状を引き起こします。鼻と目をつなぐ鼻涙管が塞がっていることが原因となり涙嚢炎が生じますが、閉塞の原因に応じて治療経過が異なります。今回は、涙嚢炎について解説します。

涙嚢炎とは

涙は常に毎時0.1ml程度分泌されており、眼を潤わせて様々な病原菌から眼を守る役割を果たしています。涙は目頭の辺りにある小さな穴を通り、細い管を経由して涙嚢という袋状の器官に到達します。そして、目と鼻をつなぐ鼻涙管を通り鼻腔へと流れ出ます。この経路の一部が閉塞される状態を鼻涙管閉塞といい、鼻涙管が産まれ付き形成異常を来している場合や結膜炎などに続発して起こる場合等があります。鼻涙管が閉塞すると、行き場を失った涙は涙嚢に停滞し眼に逆流することもあります。この涙に細菌が感染すると、膿状の目やにが出るようになります。目やにが出ている期間に応じて急性及び慢性涙嚢炎と呼ばれる診断名が付けられます。感染が涙に限局している場合には、眼の局所症状で済みますが、細菌がより深部に広がることもあり重篤な場合脳髄膜炎を引き起こすこともあります。

鼻涙管閉塞症の検査

鼻涙管閉塞症の検査では、涙を排出する涙点から生理食塩水などを注入し、鼻や喉の奥へと流れ出るか調べます。鼻涙管が塞っている場合は液の逆流を認めることから、鼻涙管閉塞症と確定診断されます。

涙嚢炎及び鼻涙管閉塞症の治療

涙嚢炎は軽症であることが多く、この場合には点眼の抗生物質にて治療します。感染の程度が局所所見にとどまらない場合は、内服や静脈の抗生物質を投与することがあります。また膿瘍が生じた場合は切開し蓄積された膿を排出することもあります。

鼻涙管の形成異常が原因で塞がっている場合は、細い針金を鼻涙管へ通し、塞がっている部分を突き破る処置が行われます。またこうした処置を行わなくとも、涙嚢部(目頭)を毎日マッサージすると閉塞が自然に改善することを期待できる場合もあります。
その一方、鼻や眼の病気が原因で続発的に鼻涙管が塞がってしまいそれに伴う涙嚢炎を繰り返す場合は、細い針金で閉塞部を突き破った後、シリコン製のチューブを鼻涙管留置し約1カ月再閉塞がないかどうかの経過観察を行います。


2017/05/19

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