紫斑

2017/05/21

症状が出現してからの進行が早い小児急性白血病

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症状が出現してからの進行が早い小児急性白血病

子どもに起こる白血病の多くは急性白血病であることが知られており、症状が出現し始めてから病気の進展スピードが早いことが特徴です。中には放射線や特定の遺伝子異常等、明確な因果関係が解明されているものもありますが、そのほとんどは何故白血病に至るのか明らかになっていません。今回は、小児急性白血病の症状と治療法について解説します。

小児急性白血病とは?

白血病は血液細胞ががん化し無秩序に増殖していく病気で、血液のがんともいわれています。子どもが発症するがんのうち、約半数を急性白血病を始めとした血液腫瘍が占めています。急性白血病には大きく分類してリンパ性と骨髄性がありますが、小児に多い急性リンパ性白血病は2~6歳の子どもに発症するという特徴があります。

症状としては、元気がなくなり発熱や顔色が悪くなる等の症状が現れます。はじめはかぜとよく似た症状であるため、かぜだと思って病院を受診した際に発見されたケースも多いようです。その他貧血や鼻血、皮膚や粘膜に出血斑が現れることもあります。これらの症状は白血球のがん化に伴い骨髄の働きが低下し、正常な血液が産生されないことが原因で起こります。またがん細胞が過剰に増殖することに伴い骨痛、関節痛、リンパ節の腫れが生じることもあります。

小児急性白血病の原因

小児急性白血病と明らかな因果関係があるものとして放射線被爆や特定の遺伝子異常などが挙げられますが、なぜ急性白血病を来すのか原因を特定できない場合のほうが多いです。一部の小児急性リンパ性白血病では、白血病と関連性がある遺伝子異常がママのお腹の中にいる間に生じているものも存在していることも知られています。

小児急性白血病の治療法

小児急性白血病の治療は、抗がん剤による化学療法が中心です。約半年間の入院期間を含み、治療期間はおよそ2年程度であることが多いです。

治療は以下の3つの考え方があります。

(1)寛解導入療法
発症時には、体内におよそ1012個のがん細胞が存在していると言われています。治療開始後の第一目標は体内にあるがん細胞を検査で検出できないレベル(106個)まで縮小させることであり、この治療期間のことを寛解導入療法と呼びます。この段階では、見た目上白血病による症状が現れなくなっており寛解状態といいます。しかし寛解状態で治療を終了してしまうと高率に白血病が再発することもあり、再発を防ぐために次の強化維持療法を行います。

(2)強化維持療法
寛解状態を保つために化学療法を継続し、化学療法終了した後でも白血病が再発しないレベルまで白血病細胞を減少させるます。

(3)支持療法
白血病治療中には、化学療法や白血病自体に伴う合併症や副作用が生じます。こうした治療中に起こった様々な合併症に対する治療を行うことを支持療法と呼びます。安全に化学療法を遂行するためにも、支持療法が白血病治療において占める意味合いも非常に大きいです。

急性白血病は正しい治療を受ければ、5年以内に再発することはほとんどないといわれています。再発を防ぐためにも、急性白血病は早めの治療が必要です。

<参考>
小児白血病研究会


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