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2017/05/21

皮膚が剥がれる子どものブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

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皮膚が剥がれる子どものブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

子どもは様々な皮膚感染症に感染します。そのうちの一つであるブドウ球菌熱傷様皮膚症候群は黄色ブドウ球菌が原因で引き起こされる病気で、火傷のような症状が特徴的な病気です。今回は、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群について解説します。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは?

子どもがかかりやすい皮膚感染症の原因は細菌、ウイルス、真菌の3種類があります。細菌による感染症の中で特に頻発するものは、伝染性膿痂疹(別名とびひ)です。この他にブドウ球菌熱傷様皮膚症候群や、毛嚢炎(もうのうえん)等があります。

ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群は、黄色ブドウ球菌という細菌に感染することにより発症する皮膚炎で英語名の頭文字をとってSSSSと呼ばれることもあります。喉や鼻の粘膜に感染した黄色ブドウ球菌は、増殖すると毒素を放出します。この毒素が血液に乗り全身に行きわたることで皮膚炎が起こります。ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群は乳幼児に多く見られる皮膚感染症で、健康な大人に発症することはまれです。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の主な症状

ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群は、感染源である目や鼻、口等の顔の皮膚が初めに赤くなります。特にオムツが外れていない新生児の場合は、オムツを当てる足の付け根やおへその周辺に症状が現れることもあります。

次第に症状が全身に広がり、軽微な外力と共に皮膚がやけどした時の様に剥がれ落ちていきます。この現象を、ニコルスキー現象と呼びます。水ぶくれや発熱、倦怠感、悪寒等の症状を生じるケースもあるようです。ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群の場合、皮膚が次々に剥がれ落ちるため、バリア機能が失われ、他の感染症を引き起こす場合も多いです。また、体液が滲み出て蒸発するなど多量の体液が失われ、脱水症が起こることもあるため注意が必要です。

治療には原則入院が必要

ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群の治療は、原則入院による全身管理が必要です。黄色ブドウ球菌に有効な抗菌薬を使用し、黄色ブドウ球菌に対しての治療を行います。皮膚がはがれた部分に対しては必要に応じて白色ワセリン等を塗り、ガーゼで皮膚の脱落部位を保護する場合もあります。

ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群は、黄色ブドウ球菌という細菌が原因で起こる皮膚感染症です。乳幼児が発症した場合は原則入院による治療が必要になり、重篤な症状を呈する場合もあり得ます。

黄色ブドウ球菌はどこにでもいるありふれた菌ですが、怪我をした部位等に感染することでブドウ球菌熱傷様皮膚症候群が引き起こされることがあります。怪我をした際には感染が起きないように、傷口をきれいにしつつ手洗いを徹底しましょう。


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