乳幼児に発症する網膜芽細胞腫はどんな病気?

網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は「目のがん」と呼ばれることもある病気であり、乳幼児に発症します。ここでは、網膜芽細胞腫の基礎知識として知っておきたい特徴的な症状や原因、治療の方向性について解説します。

網膜芽細胞腫の発症率と特徴的な2つの症状

網膜芽細胞腫は、目の奥に広がっている網膜にできる悪性腫瘍です。乳幼児に発症することがある病気として知られ、発症率は15,000?16,000人に1人の割合(※1)と言われています。
網膜は外から入る光を感知して像を結び、脳へ伝える役割があります。カメラに例えると、網膜はフィルムのような位置づけです。

網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児は視力の変化に気付きづらいため、親や周囲の人が初めて異変に気付くケースが多いです。網膜芽細胞腫には、特徴的な2つの症状があります。

【白色瞳孔(はくしょくどうこう)】
網膜の腫瘍に光が反射して猫の目のように白く光る。

【斜視(しゃし)】
左右の目の視線(眼球の方向)がずれている状態。

この他、まぶたの腫れや目の充血を伴うことがあります。網膜芽細胞腫の初期症状はほとんどありませんが、進行すると緑内障を起こす可能性がある他、腫瘍が脳に転移して頭痛・嘔吐などの症状が現れることがあります。早期に治療介入することで予後の改善が期待できるため、早期発見が重要です。

網膜芽細胞腫の原因と治療の考え方

網膜芽細胞腫の原因は、がん抑制遺伝子であるRB1遺伝子の異常、または変異が関係しており、遺伝性と非遺伝性があります。両目に発症する両眼性と片目に発症する片眼性のうち、両眼性の場合は全て遺伝性だと言われています。なお、片眼性の場合は10?15% が遺伝性ではないかと考えられています。

網膜芽細胞腫の治療方法は、眼球摘出手術と眼球保存療法の大きく二つに分かれます。腫瘍の大きさや広がり、両眼性・片眼性など様々な要素を検討し、いずれかの治療方法が選択されます。なお、網膜芽細胞腫が両眼性の場合、進行が遅い方の眼球は出来る限り残すケースが多いです。

また、遺伝カウンセリングという方法もあります。
遺伝カウンセリングとは、遺伝子や遺伝のメカニズムが関与する疾患や体質について、さまざまな問題を抱える方やそのご家族のお話を伺いながら、医療情報をわかりやすく説明したり、心理社会的なサポートを行って、一般の方たちの理解と納得を支える医療サービスです。
※1:国立がん研究センター

<まとめ>
網膜芽細胞腫は、外から入った光を感知して像を結び、脳へ伝達する役割のある網膜に悪性腫瘍ができる乳幼児に発症することがある病気です。症状としては白色瞳孔や斜視が特徴的です。治療方法は眼球摘出手術と眼球保存療法に大別され、症状に合わせて治療方法が選択されます。


2017/06/19

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