子どもに遺伝する可能性がある「網膜色素変性症」とは?

網膜色素変性症は、進行すると視力を失うこともがある病気で、子どもに遺伝する可能性があります。ここでは、網膜色素変性症になるメカニズムや症状、代表的な治療方法について説明します。

網膜色素変性症の発症に関わる視細胞とは?

視細胞とは、綱膜の視神経のことです。網膜色素変性症は、網膜の細胞に異常をきたして視力低下や失明することがある進行性の病気です。網膜は外から入った光を神経の信号に変換し、視神経から脳へ伝達する役割があります。網膜は様々な細胞により構成されていますが、網膜色素変性症になると、最初は外から入る光に反応し、電気信号に変換する働きのある視細胞に異変が起きます。

網膜の視神経には、暗い所でのものの見え方を調整する「杆体(かんたい)細胞」と、明るい所で細かいものを見分けたり色を識別する「錐体(すいたい)細胞」の2種類があります。

2種類の視細胞のうち、網膜色素変性症になると最初に暗闇の視力に重要な杆体細胞の機能が失われます。そのため暗い所でものが見えにくくなる夜盲症(やもうしょう)や、視野が狭くなる症状が現れることがあります。またさらに病気が進行すると、錐体細胞に障害が起こることもあります。視力低下や特定の色を識別する能力が低下する色覚異常を伴う可能性があるため、早期に専門医を受診しましょう。

網膜色素変性症の原因と代表的な治療方法

網膜色素変性症の原因は、視細胞に密着している網膜色素上皮細胞の遺伝子の異常ではないかと考えられています。一部の網膜色素変性症は遺伝性があることで知られていますが、遺伝性であることが確認できる患者は約50%であり、残りの半数が遺伝によるものかどうかは明確に判っていません。しかし、遺伝傾向をはっきり確認できない場合でも、何らかの遺伝子に異常をきたしている可能性が示唆されています。

網膜色素変性症を根本的に治す治療方法はないため、以下のような対症療法が行われます。
・ 遮光眼鏡(治療用のサングラス)
・ ビタミンAの内服
・ 網膜循環改善薬の内服

網膜色素変性症の進行を遅らせるには、強い光を避けることが有効なため、遮光眼鏡が用いられます。

<まとめ>
網膜色素変性症は、網膜にある視細胞に異常をきたし、夜盲症や視力低下を招く病気です。視細胞に密着している網膜色素上皮細胞で機能する遺伝子の異常が、網膜色素変性症の原因と考えられており、遺伝性のケースが多いようです。根本的な治療方法は確立されていませんが、進行を遅らせるために遮光眼鏡や薬の内服による対症療法が行われます。


2017/05/26

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