乳幼児に発症しやすい頸部リンパ節炎の原因とは?

子どもの首にしこりのようなものがある場合、首のリンパ節に炎症を起こす頸部リンパ節炎の可能性があります。頸部リンパ節炎は、乳幼児期に発症することが多いです。ここでは、リンパ節の役割や頸部リンパ節炎の原因について説明します。

リンパ節に炎症が起こるのはなぜ?

頸部(けいぶ)リンパ節炎は、首のリンパ節が炎症を起こして腫れる病気です。
リンパ節は、全身に網の目のように張り巡らされているリンパ管の節目のようなものです。リンパ管には老廃物を運搬するリンパ液が流れ、その中に含まれているリンパ球には、体内に侵入した細菌やウイルスなどを処理する働きがあります。つまり、リンパ節は感染症などを防ぐ免疫器官の一つといえます。

リンパ節が多く集まっている主な部位を以下に挙げます。

・ 耳の下(耳下腺:じかせん)
・ 首(頸部)
・ あごの下
・ 鎖骨
・ 脇の下(腋窩:えきか)
・ 足の付け根(鼠径:そけい)

これらのリンパ節で細菌やウイルスが処理されると、腫れて炎症を起こすことがあります。

頸部リンパ節炎の原因は風邪とは限らない

頸部リンパ節炎の原因は、主に体内に侵入した細菌やウイルスが首のリンパ節で処理される過程において生じる免疫反応だといわれています。

感染症が原因の頸部リンパ節炎は、数日のうちにリンパ節が腫れて痛みを伴います。抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与により、1?2週間で症状が緩和されることが多いです。しかし、痛みを伴わずしこりがゆっくり大きくなる場合は悪性腫瘍の可能性があるため、詳しい検査をする必要があります。

風邪以外の主な頸部リンパ節炎の原因には、以下が挙げられます。

虫歯、口内炎、中耳炎、自己免疫疾患(亜急性壊死性リンパ節炎)

結核菌やEBウイルスなどの細菌感染により引き起こされる頸部リンパ節炎は、「急性化膿性リンパ節炎」といいます。EBウイルスはヘルペスウイルスの一種であり、伝染性単核球症(EBウイルスの初感染によって生じる急性感染症)と呼ばれる頚部のリンパ節腫脹を伴う病気を発症することがあります。また、原因不明の「亜急性壊死性リンパ節炎」という病気が頸部のリンパ節の腫れを起こすこともあるなど、頸部リンパ節炎の原因は様々な可能性が考えられます。

子どもの首にしこりのような腫れが生じた場合、原因が風邪ではない可能性もあるため、必ず医師の診断を受けましょう。

<まとめ>
リンパ節は全身に張り巡らされているリンパ管の節目のようなものであり、細菌やウイルスなどの排出を促す免疫器官の一種です。首はリンパ節が多く集まっている部位なので、細菌やウイルスの感染に伴う炎症が起こりやすいです。頸部リンパ節炎の原因は、風邪の原因菌の他、虫歯や中耳炎、結核菌、EBウイルスなど様々な可能性があります。悪性腫瘍の可能性もあるため、子どもの首に生じたしこりは必ず医師に診てもらいましょう。


2017/06/25

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