喘息の子は特に注意したい、マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、数年に一度大流行を認めますが、毎年一定数の発症者数を見るためご存じの方も多いでしょう。一般的な肺炎との違いは何なのでしょうか。今回は、子どもがかかりやすいと言われているマイコプラズマ肺炎の原因や症状、注意すべき点などを解説します。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌でもウイルスでもない病原性微生物に感染することで発症する肺炎です。1年を通して感染する可能性がありますが、秋から冬にかけての感染が特に多くなっています。

マイコプラズマ肺炎の症状としては、38度以上の熱が出る、倦怠感、乾いた咳、吐き気や嘔吐が挙げられます。肺炎という病名がついていますが、聴診器で呼吸の音を聞いても異常が見つからないことも多く、診断までに時間を要することもあります。一般的な肺炎は、気管支や肺胞が炎症を起こすため聴診器で聞くと痰が絡むような音が聞こえます。しかし、マイコプラズマ肺炎は、分泌物の亢進はなくマイコプラズマそのものだけでは直接的な細胞障害がないため、そのような音は聞こえません。

マイコプラズマは咳やくしゃみなどの飛沫感染や接触感染により体内に取り込まれ、潜伏期間は14~21日で稀に1カ月以上の場合もあるようです。マイコプラズマは、潜伏期間中であっても感染から1週間前後感染力を持つため、知らない間に他の人に感染を広げる場合もあります。

合併症の危険性も

マイコプラズマ肺炎では、合併症は少ないといわれていますが、全く起こらない訳ではありません。また肺以外の疾患は本質的にマイコプラズマ肺炎とは異なる病態であることも知られてきており、肺外発症という考え方もされるようになっています。

【主な合併症】
・中耳炎
・副鼻腔炎
・気管支炎 

【稀に起こる合併症】
・心筋炎
・心外膜炎
・無菌性髄膜炎
・関節炎
・脳炎
・溶血性貧血 等

喘息を持つ子どもは要注意

もともと喘息を患っている子どもの場合、気管支は炎症を起こしている状態です。その状態で更にマイコプラズマ肺炎を患うと、喘息による咳が悪化して病原体の刺激により喘息発作を起こすことも考えられます。

また、喘息患者に処方されることが多い気管支拡張作用のある薬は、マイコプラズマ肺炎に有効な気道の過分泌を抑えて抗炎症作用のある抗生剤と相互作用し副作用を引き起こす可能性もあるため、服用には注意が必要です。

まとめ

学童期の子どもは、学校等で気づかない間に病原菌に感染してしまいます。流行している・していないに関わらず、常に手洗いやうがいを心がけましょう。また、万が一感染した場合も、咳が出ている間はマスクをさせるなど周りへの感染をできる限り防ぎましょう。特に喘息をもつ子どもの様子がおかしいと気づいた場合には、速やかにかかりつけ医を受診しましょう。

参考
医薬ジャーナル社 アレルギー・免疫 1999年5月号(Vol.6 No.5)P26(682)~31(687)


2017/05/28

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