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ピロリ菌感染が引き起こす子どもの胃炎について

近年になって、子どもの胃炎はピロリ菌の影響が大きいことが分かってきました。一度感染すると何十年も体内に住み着き、胃がんや十二指腸潰瘍の原因になるため注意が必要です。ここでは、子どもを含めて幅広い年齢層に胃炎を引き起こすピロリ菌の感染について詳しく解説します。

胃炎の原因はピロリ菌

これまで胃の機能低下や不調は、年齢に関わらず食事による負荷や精神的ストレスが大きく影響していると考えられてきました。しかし、近年では胃に住み着いたピロリ菌が原因であることが分かってきました。ピロリ菌は胃の粘膜や唾液、吐物、便中に存在する細菌の一種で、日常的な胃の不調から胃がんまで影響を与えているといわれています。特に乳幼児の胃は酸性度が低く免疫力も弱いためピロリ菌に感染しやすく、胃炎などの病気にかかりやすいため注意が必要です。

子どものピロリ菌の感染経路は身内からが多い

ピロリ菌は胃の中や唾液、便中などに存在していますが、感染のメカニズムははっきりとは分かっていません。しかし、ピロリ菌に感染している子どもは両親も同じように感染しているケースが多く、家庭内感染の傾向が強いことが分かっています。特に乳幼児は、ピロリ菌に感染している両親や祖父母が食べ物を噛み砕いて子どもに与えることで感染する「経口感染」が多いと考えられています。

胃炎を引き起こすピロリ菌の子どもの感染率は?

ピロリ菌は、年齢に関係無く感染リスクがありますが。下水処理が行なわれ衛生環境が整っている現代では、感染率は高くありません。

ピロリ菌による胃炎の症状とは?

子どもがピロリ菌に感染しても無症状の場合が多いと言われていますが、胃炎になった場合は、以下のような自覚症状が現れることもあります。

<胃炎の自覚症状>
・食欲が無くなる
・お腹が張ったようになる
・お腹に不快感がある
・吐き気がする
・腹痛が起こる

胃炎の特徴は、自覚症状の強さと病気の重症度が必ずしも比例しないという点です。症状が軽いからといって放置していると、重症化を招く危険性があります。また、ピロリ菌は体内で繁殖するため、鉄分を消費したり食物に含まれる鉄分の吸収を阻害する働きがあります。そのため、慢性的な貧血の症状が見られる場合や鉄欠乏性貧血の疑いがある場合はピロリ菌に感染している可能性があります。胃炎の症状が無くても、上記に挙げた気になる症状がある場合は一度小児科や消化器内科を受診しましょう。

<まとめ>
胃炎につながるピロリ菌の感染は、乳幼児など比較的早い時期に起こっているケースが多いです。一度感染すると何十年も体内に住み着き、将来的に胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因にもなりかねません。子どもの感染を防ぐ第一の方法は、周囲の大人から感染する機会をつくらないことです。両親だけでなく祖父母や親戚などと食事の機会がある際には、口移しを行わないなど注意を払いましょう。また、子どもの定期健診を受けることも大切です。


2017/05/29

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