2017/05/30

子どもに多いイボは?

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子どもに多いイボは?

イボは、ウイルスが原因の良性の皮膚疾患です。どの年代にも見られますが、子どもに多く発症する傾向があり、自然軽快することがほとんどです。しかし、放置すると悪化したり他人に感染するおそれがあります。ここでは、手指にできるイボ症状や治療について解説します。

イボはヒトパピローマウイルスが原因

イボにはさまざまな種類がありますが、原因はヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVは約80種類が特定されており、その中でもイボになるものは、HPV1型、2型、4型、27型、29型の5種類です。

子どもは、手指や足のかすり傷からHPVが侵入し感染することが多いため、手足にイボを認めることが多いのですが、全身のどこにでも発症します。HPVはどこにでもいるウイルスで、感染しても発症しないことが多いです。しかし、大人よりも抵抗力の弱い子どもやアトピー性皮膚炎など皮膚バリアが弱い人は発症しやすいです。再発を繰り返す場合は、免疫性疾患が背景に隠れている可能性があります。

手足の指にできるイボは、硬い突起状で直径1cm以下のものがほとんどです。通常は痛みやかゆみがありませんが、よく動かす手や体重のかかる足裏にできると痛みを生じることがあります。接触感染する可能性があるため、感染者および周囲の人は手洗いを徹底するなどの注意が必要です。

イボの診断および治療とは?

ほとんどが視診で診断が可能ですが、確定診断のために組織を一部採取する検査が行われることがあります。

イボの特徴は、表面に皮膚の模様が無いことや、血栓を生じた毛細血管が存在するため灰色や黒色をしており、削れば出血することです。特に成人の場合における鑑別診断としては、ウオノメ、紫外線によく当たる部位に多く見られ顔から首周りに多発する脂漏性角化症、表皮の中間層を占める有棘層を構成する細胞から発生する有棘細胞癌などがあります。

免疫が正常の場合、多くのイボが2年以内に自然に消失しますが、前記したように免疫性疾患の人や局所要因がある人は何年も消失せず、再発を繰り返す場合があります。

イボはHPVによる感染を元に発症するため、HPVを身体の中から排除することが結果的にイボの治療につながります。HPVを体外に排泄することを促すために、サリチル酸やトリクロロ酢酸などの刺激物質が患部に塗布されます。内服療法は、シメチジン、イソトレチノインや経口亜鉛などがあります。また、イボを破壊するために、凍結療法や電気焼却、外科的切除なども行われます。効果を高めるために、これらの治療が併用されることがほとんどです。

特に手指に生じるイボは、放置すると範囲が広がる可能性があることや、見た目の問題、よく使用する部位にあると邪魔などの理由から治療が行われることもありますが、ケースバイケースです。

手指にイボ状のできものを見つけた時は、まず、小児科もしくは皮膚科を受診して疣贅かどうかを診断してもらいましょう。また、経過観察するのか積極的に治療するのかを医師と十分に話し合って、治療方針を決めましょう。

(参考資料)
メルクマニュアル 疣贅


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