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2017/05/30

子どものウイルス性髄膜炎 背中や首にみられる症状とは?

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子どものウイルス性髄膜炎 背中や首にみられる症状とは?

ウイルス性髄膜炎は無菌性髄膜炎ともいわれ、早期治療が必要な細菌性髄膜炎といかに判別するかが重要です。どちらも乳幼児から学童期までの子どもに好発し、発熱・頭痛・嘔気嘔吐の症状に加えて首のこわばりや首から背中の痛みが特徴的です。ここでは、ウイルス性髄膜炎の症状や治療を背中や首の部位を中心に解説します。

ウイルス性髄膜炎とはどんな病気?

脳や脊髄の神経は髄膜という膜に覆われており、髄膜と脳神経の間は髄液で満たされています。通常は髄膜や脳血液関門などのバリケードにより細菌やウイルスは髄液や脳神経に侵入できませんが、ウイルス感染や細菌感染が重症化すると髄液内に病原体が侵入して髄膜炎を発症することがあります。無菌性髄膜炎には、ウイルス性以外にも薬剤や真菌、癌、ワクチン反応などさまざまな要因があります。

髄膜炎は大人に比べて抵抗力の弱い子どもがかかりやすいですが、感染症などで抵抗力が弱くなった状態であれば大人でも発症することがあります。

症状の特徴は、発熱、吐き気・嘔吐、頭痛が3大徴候とされています。上気道感染や胃腸炎などの感染症と症状が類似しているため、注意が必要です。その他にも、他の感染症同様に首や背中に筋肉痛のような痛みを生じ、首が硬く曲げにくくなることがあります。

髄膜炎に特徴的な所見 項部硬直とは?

病原体による炎症により髄膜や首の神経にむくみが生じ、後頭部や首の背面に持続的な収縮が起こると、首の背部が硬くて持ち上がりません。この状態を項部硬直といいます。患者自身に座ったままの状態で首を前屈させて胸につける動作をしてもらう検査のことを、ネック・フレクション・テストといいますが、項部硬直があれば首の前屈が困難となります。

髄膜炎の身体所見として、この項部硬直の有無を確認されることが多いです。しかし、くも膜下出血など他の出血性疾患や炎症性疾患でも同じ症状が認められるため、感度が高い検査ではありません。そのため、他の身体所見や血液検査、髄液検査なども合わせて行う必要があります。

治療は原因に応じて 常に細菌性髄膜炎のリスクを考慮

ほとんどのウイルス性髄膜炎は、一般のウイルス感染症同様1?2週間で自然に軽快します。ヘルペスやインフルエンザなど特異的な抗ウイルス薬があるものに関しては、抗ウイルス薬の適応が検討されます。その他のウイルスであれば対症療法となります。
髄液検査の確定的な最終結果が出るまでには時間がかかるので、細菌性髄膜炎が否定できない場合は、抗菌薬が投与されることもあります。

ウイルス性か細菌性かの判断は症状からだけではしばしば医師でも判断が難しいため、一般の人が判別するのは困難です。強い頭痛、吐き気嘔吐、発熱がある際には、早期に小児科、夜間であれば救急外来を受診しましょう。

(参考資料)
今日の臨床サポート 項部硬直

日本救急医学会 項部硬直

メルクマニュアル 無菌性髄膜炎


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