背中

2017/05/31

背骨が曲がる側彎症

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背骨が曲がる側彎症

側彎症(そくわんしょう)は、乳幼児から思春期にかけて指摘されることの多い背骨のゆがみのことです。近年は、学校検診の普及によって早期発見および進行予防のための早期治療が可能となりました。ここでは、子どもに見られる側彎症について解説します。

側彎症の原因

これといった症状は現れず、学校の検診で指摘されることが多いです。以前は約8割が原因不明の特発性側彎症とされていましたが、診療技術の進歩により以下のように原因が特定されたもの徐々に増えつつあります。

○原因の病気がわかっている側彎症
・先天性(骨原性)側彎症
背骨(脊椎)の形などに生まれつきの異常があるために、成長期に左右の成長に差が出ることから側弯症に進展します。

・神経原性側彎症
神経が障害されたことによって、背中や横腹の筋肉が麻痺したために脊柱を支える力が失われ曲がってきたものです。

・筋原性側彎症
筋肉が萎縮する病気で代表される、筋ジストロフィーなどの筋肉の病気に伴う側弯症です。

・神経線維腫による側彎症
多発性神経線維腫症(フォン・レックリングハウゼン病)の患者さんに起こる側弯症で、急速に進行して重度の脊柱変形が起こります。

・間葉系疾患による側彎症
関節が異常に柔らかい特徴があります。

など

しかし、原因のわからない特発性側彎症は依然として大部分を占めており、変形が起こる時期により以下に分類されています。

○原因不明の側彎症
・乳幼児期(0~3歳)の側彎症
・学童期(4~9歳)の側彎症
・思春期(10歳以上)の側彎症

これらの中で学童期および思春期に発症するものは進行が早く、半数?8割が悪化するとされています。一方で、乳幼児型は約8割において自然軽快が期待できます。ちなみに、重たいカバンを片側で持つ癖があるなど物理的なことが原因で側彎症が起こるのではと心配される方もいますが、医学的に側彎症との関連性は否定されています。

遺伝に関しては、はっきりとした原因遺伝子は同定されていませんが、複数の遺伝子が発症に関与していると推測されています。今後、特定遺伝子が発見される可能性は十分にあります。

検診の普及により彎曲が30度以上の進行型で発見されることは非常にまれですが、曲がり具合が強いと胃や肺を圧迫します。軽度の側彎では無症状のことが多いですが、日常生活でワンピースの丈が左右異なる、座ったときの肩の位置が異なることなどで気づくことがあります。また、歪みによる筋肉痛や痛みを生じることもあります。

側彎症の治療 予防は可能?

治療は、側彎の程度(角度)により決まります。軽度側彎では経過観察になりますが以後側彎症状が強くなるにつれて、装具治療や手術が検討されることもあります。
側彎の程度は先にも述べた通り経時的に変化することも充分考えられるため、治療時期については年齢、レントゲンや血液検査なども総合評価したうえで決定されます。

発症予防に関しては、現時点では医学的に有効な予防法は確立されていないため、装具治療などの進行予防に重点がおかれます。また、積極的な治療介入が必要となるかどうか判定するため、進行度合いを定期的にフォローしていくことが必要です。

(参考資料)
公益法人東京都予防医学協会 脊柱側彎症 現状と治療、検診の成果


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