肛門

子どもにみられる痔の種類とそれぞれの症状と原因

子どもでも痔を起こすことがあります。トイレットペーパーに潜血が付着するのが痔の症状ですが、そうした出血以外に発熱や腹痛、嘔吐などを伴う場合は別の病気の可能性があります。痔は排便痛を伴うこともあるので、放置せずに医療機関を受診してください。今回は、子どもの痔の症状と原因について解説します。

子どもの痔の種類

痔は成人だけではなく、乳幼児にもみられることがあります。乳幼児にみられる痔の種類は、切れ痔(裂肛)、いぼ痔(痔核)、痔ろう(肛門周囲膿瘍)です。それぞれの症状と原因は、次の通りです。

(1)切れ痔
痛みと少量の出血を伴い、離乳食を開始してから6カ月以降にみられることが多いようです。固い便を排泄する時に肛門が損傷を受けることが主な原因ですが、下痢のような排泄スピードが速い便が肛門を通過することで損傷を受ける場合もあります。また、見張りいぼという、皮膚がいぼ状に隆起したものが肛門の周りに現れることがあります。

(2)見張りイボ
便秘で便が硬くなることが原因で、女の子に多く見られます。年齢は生後7ヶ月頃から2歳くらいで、3歳以後は少ないです。離乳食となり、便が硬くなる時期に発症します。肛門の外側に出来る皮膚のたるみで、多くの場合、慢性化した裂肛の炎症が周囲に及んで出来ます。

(3)痔ろう
0歳児の男児にみられることが多く、肛門の側面におできが生じます。触れると痛がるのが特徴で、膿が出ることもあります。生後6カ月までの乳児は外敵から身を守る免疫グロブリンという抗体の生産量が少ないため、便に含まれている細菌感染により痔ろうを起こしやすいといわれています。

痔の治療法

それぞれの痔の治療法は、次の通りです。

(1)切れ痔
肛門に軟膏を塗り、傷を治します。排便後は肛門を湯で洗い、清潔な状態を保ちましょう。原因となる便秘や下痢を防ぐために、食事療法が適用されます。また、便を柔らかくする薬を処方されることがあります。完治しないうちに薬の服用をやめると、再発する場合があります。

(2)見張りイボ
肛門に軟膏を塗ることと並行して、便秘の治療を行います。便秘が改善し、便が柔らかくなると、1カ月程で見張りいぼは縮小し始めます。見張りいぼが完全に消失するまでには、半年から1年かかります。その間にまた硬い便になると再び肛門が切れてしまい、見張りいぼが大きくなってしまいます。そのため、治っても便秘の治療を続けることが大切です。手術は不要で清潔に保つ事が大切ですが、どうしても気になる場合には外科的に切除します。
(3)痔ろう
おできを切開して、膿を出します。抗生剤の効果が薄いため、定期的に切開をして膿を出すことが早期の改善に繋がります。

痔による出血が便に混ざることで、血便として認められることがあります。痔は腹痛や嘔吐、発熱などの症状は伴うことはありません。

参考
J-Medical 医学事典


2017/06/01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事