新生児にみられる肥厚性幽門狭窄症の症状と原因

生後2~3週頃に起こることが多いといわれる肥厚性幽門狭窄症。新生児が、母乳やミルクを噴水のように吐く症状が特徴です。幽門狭窄症の原因は様々ですが、新生児の場合は十二指腸に繋がる胃の部分(幽門)が厚くなることが原因であることが多いです。今回は、新生児にみられる幽門狭窄症の症状と原因について解説します。

幽門狭窄症とは

幽門狭窄症とは、十二指腸に繋がる胃の部分(幽門)が狭くなる病気で、次のような原因で起こります。

(1)胃の病気
胃がんや胃、十二指腸に生じる潰瘍・傷やできものの痕が挙げられます。

(2)周囲の臓器による圧迫および癒着
膵臓や大腸などに巨大な腫瘍ができると、胃を外側から圧迫されたりもしくは炎症のためにくっついてしまうことがあります。

(3)胃の運動機能の異常
過度の飲酒や外傷、薬物など様々な原因で胃の運動機能に障害が起こります。

(4)幽門の筋肉が厚くなる
幽門の筋肉が厚くなることで、十二指腸に繋がる胃の部分が狭くなることがあります。原因は解明されていません。

肥厚性幽門狭窄症の症状

幽門が狭くなると、胃の内容物が十二指腸へと流れ込むことができなくなり、内容物が逆流して嘔吐します。最初は口からミルクが流れ出る程度の症状ですが、特に生後2週間ほどたった頃から胃の内容物が蓄積するに連れて頻繁に吐くようになります。内容物が更に蓄積されると、噴水のように嘔吐する場合があります。吐いた後は空腹になるためミルクを求め、ミルクを飲むと再び嘔吐します。また、胃の不快感や飽満感、しゃっくりやげっぷなどの症状を伴いますが、新生児は症状を上手く伝えることができません。不機嫌になり嘔吐を繰り返す場合は、肥厚性幽門狭窄症を疑いましょう。

肥厚性幽門狭窄症の治療

腹部超音波検査で、幽門が狭くなっているかを確認できます。嘔吐により水分や電解質が不足するため、点滴静注により投与する治療法が必要になります。治療法には内科的治療と外科手術があり、それぞれ次のような方法で行います。

(1)内科的治療
幽門の緊張を和らげる薬を使用しますが、喉の渇きや脈が速くなるなどの副作用があります。また、改善までに時間がかかり、必ずしも高い効果を得られるとは限りません。

(2)外科手術
外科手術は、幽門筋を胃の外側から切開して拡張させる方法を行います。縫合の必要もないため身体への負担が比較的軽く、改善も早いのが特徴です。しかし、全身麻酔が必要になります。

<まとめ>
肥厚性幽門狭窄症を起こすと、週数とともに次第に吐く回数が増えていき、噴水のように嘔吐するようになります。治療では幽門の筋肉の緊張を和らげる薬を処方されますが、改善しない場合は外科手術が必要になります。

参考元:
日本小児外科学会


2017/06/13

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