血管

腎症の合併が懸念される子どもの血管性紫斑病

血管性紫斑病は、全身の細かい血管に炎症が起こる病気です。異物やウイルス、細菌などが体内に侵入することが引き金になります。腎不全を起こすこともあるため、注意が必要です。今回は、子どもが発症しやすい血管性紫斑病の症状と治療法について解説します。

血管性紫斑病とは

血管性紫斑病は、小児に発症することが多い全身性の血管炎です。アレルギー性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病とも呼ばれます。マイコプラズマや溶連菌など様々な感染症や薬剤、飲食物の摂取などにより免疫反応に異常が起こることで発症すると考えられていますが、明らかな発症メカニズムは解明されていません。

異物やウイルス、細菌などが体内に侵入すると、免疫グロブリンという免疫機能が働きます。腸管や気道などに多く存在する免疫グロブリンの1つであるIgAが過剰に生産されると、IgAが異物やウイルス、細菌などの抗原と結びつきIgA免疫複合体が作られます。過剰なIgA免疫複合体が自らの細かい血管に沈着し、炎症反応が起こることで血管性紫斑病の症状を引き起こすと言われています。

血管性紫斑病の症状

血管性紫斑病の症状は、次の通りです。

(1)皮膚症状
下肢を中心に、臀部や前腕へと発疹が広がります。以下の関節炎や腹痛などの症状が最初に現れる場合があります。

(2)関節症状
約半数の患者に、膝や足の関節痛が現れるといわれています。

(3)腹部症状
腹痛や嘔吐、血便などが約半数の患者に現れます。激しい腹痛を起こすこともあるため、急性虫垂炎などの病気との区別が必要です。

(4)腎症状
皮膚、関節、腹部に起こる症状は数週間で改善することが多いようです。腎障害を合併することがあり、軽度の血尿や蛋白尿がみられます。稀に腎不全にまで進行することがあるため、定期的な尿検査が必要です。

血管性紫斑病の治療法

血管性紫斑病は免疫系の異常が原因であるため、特効薬は存在しません。軽症の場合は、自宅で安静にします。強い腹痛や血便などがみられる場合は入院し、ステロイド剤を使用します。
腹痛や関節痛などを和らげる対症療法として、鎮痛薬や湿布などを使用します。これらの治療により数週間で軽快することが多いです。


2017/06/15

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