新生児に現れうる核黄疸の原因と対処法

皮膚が黄色っぽくなる黄疸は新生児によく現れる症状であり、多くの場合は特に心配はありません。しかし、中には病気により重い黄疸が生じることがありますし、それに伴い核黄疸と呼ばれる病気を併発することがあります。今回は、核黄疸について解説します。

新生児に多く見られる黄疸

生後間もない赤ちゃんは、成人に比べて赤血球の数が多い状態です。赤ちゃんの赤血球の寿命は短く、生後すぐに壊れてビリルビンという物質が体内で大量に産生されます。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんはこれを処理する能力が十分にないため、生後数日経つと肌が黄色っぽくなります。こうした反応による新生児における黄疸は生理的な反応です。

完全母乳で育児をしている場合は黄疸になりやすく、生後1カ月頃まで症状が長引くことがあります。母乳による黄疸は母乳性黄疸と呼ばれ、母乳により肝臓の働きが押さえられるために起こります。しかしこの場合の黄疸も適切に管理をされていれば病的な意味合いを伴うことはなく、黄疸のために母乳をやめる必要もありません。

生理的な黄疸の場合でも、時に血中のビリルビンが過剰に増えることがあります。過剰なビリルビンは、基底核と呼ばれる脳の一部に沈着しのちに述べる重篤な合併症を生じる可能性があります。そのため、過剰なビリルビンを認める場合は光線療法や交換輸血による治療が行われます。

核黄疸とは?

ビリルビンが過剰に生成されると、おっぱいを飲む力が低下したり、元気がなくなる場合があります。また、黄疸が重症化すると眼球、皮膚、体液等が黄色く染まります。更に症状が進行すると、以下の症状が現れます。

◆意識障害
◆筋肉の緊張
◆強力な筋肉のけいれんによる異常姿勢
◆発熱


これらの症状を引き起こす重度の黄疸を、核黄疸と言います。母乳性黄疸や溶血性疾患などが原因で起こる高ビリルビン血症が重症の場合や特別な母乳性黄疸の場合に、稀に核黄疸を生じることがあります。核黄疸は母乳性黄疸や高ビリルビン血症により発症することはなく、溶血性疾患などが原因です。適切な治療を受けなければ死に至る危険性がある他、一命を取り止めたとしても脳性まひ、知的障害、難聴等の後遺症が残ることがあります。

核黄疸の対処法

核黄疸の診断は、血液中に含まれるビリルビンの量を測定したり、画像検査や発達経過を観察したうえで判断します。同時に、子どもの状態をよく観察することも大切です。ビリルビンによる神経系の影響の有無を調べるために、聴力検査や頭部のMRI検査をする場合もあります。

高ビリルビン血症の治療はその他の黄疸と同じく光線療法、交換輸血による治療を行います。光線療法は人工的に紫外線を照射し、ビリルビンを分解するよう働きかけます。適切に高ビリルビン血症の治療を行うことが、非可逆的な核黄疸を予防するためには非常に重要になります。


2017/05/24

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