妊活・妊娠したい

2017/05/18

本当に正しい? 妊娠・出産にまつわる「都市伝説」

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

本当に正しい? 妊娠・出産にまつわる「都市伝説」


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

妊娠・出産を考え始めると、いろいろなところでさまざまな情報を見たり聞いたりすると思います。
信憑性が薄いものから含蓄のあるものまでさまざま、意味深長です。
そこで今回は妊娠・出産にまつわる、いわゆる「都市伝説」の真偽や解釈についてみていきましょう。

その1:結婚して1年。不妊の心配はまだまだしなくても平気?


日本産婦人科学会では、不妊期間の定義を1年としています。
以前は、「2年」とされていましたが、海外の定義などに鑑みて、2015年に1年へと変更されました。
日本産婦人科学会では、「わが国において、女性の晩婚化やキャリア形成指向、その他の理由により女性の妊娠する年齢が上昇する中、不妊(症)の定義の変更により、女性がより早期に適切な不妊治療を受けることにつながると期待されます」と記載されています(※)。
結婚1年目は、引っ越しや結婚式などもあり、意外にもあっという間です。
ですから、結婚してからではなく、結婚前にブライダルチェックを行い、異常がないかどうかを確認しておくことが重要になりますね。
一般的には、20代であれば1年以内に80%が妊娠するといわれていますが、妊娠の確率は年齢とともに下がってきます。
そのため、結婚1年目でも、35歳以上であれば1年を待たずに検査を受けた方が良いでしょう。
※公益社団法人 日本産科婦人科学会『不妊の定義の変更について』(http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20150902.html

その2:月経痛がヒドイと妊娠できない?


月経中には、子宮の中に溜まった経血を体外に出そうと、「プロスタグランジン」というホルモンが働きます。
痛みの感じ方は人それぞれですが、経血を体外に出すときには子宮が収縮するため、痛みを感じる人もいます。
ただ、中には子宮内膜症やクラミジア感染症などの病気が原因で強い月経痛を引き起こしていることもあります。このような場合、放っておくと不妊の原因となることがあるので、注意が必要です。
たとえば、子宮内膜症が進行すると、卵巣や卵管が癒着して卵子の通り道がふさがれて受精の妨げになることがあります。
また、卵巣に出血が溜まるチョコレートのう腫があると、正常な排卵が難しくなります。さらに、クラミジア感染症を発症すると、卵管が癒着してしまい、受精卵が子宮に着床しにくくなることがあります。
ですから、月経中は寝ていないとつらい、外出できない、というほどであれば、ぜひ婦人科でしっかり診てもらってください。

その3:不妊検査で問題がなければ自然妊娠できる?


現代の医学でも、人間の身体についてすべてわかっているわけではありません。
実際に、子宮筋腫などを摘出した大手術の後、医師が「妊娠は難しい」と判断した場合でも、妊娠する人がいる一方、「検査して何も問題は見つからないのに妊娠しない」という人もいます。
不妊検査で問題がなくても、妊娠できずに悩んでいる人はたくさんいるため、必ず自然妊娠できるとは言い切れません。
また、不妊検査を受けたからといって、すべての不妊の原因が見つけられるわけでもありません。「妊娠は授かりもの」ということを覚えておく必要がありますね。

その4:太りすぎ・やせすぎは妊娠と関係ない?


やせすぎでも太りすぎでも、排卵障害が起こる可能性が高くなります。肥満の人はホルモンバランスが乱れて月経不順や無排卵性月経になりやすく、BMIが30以上であることは、不妊の原因といわれます。
逆にやせすぎの場合も、妊娠に影響します。
とくに短期間で10㎏以上も体重が減ったという場合には、脳が「妊娠よりも生命の危険がある」と判断し、卵巣機能を低下させて排卵を停止させてしまうことがあるのです。

その5:見た目が若ければ、いくつになっても妊娠できる?


見た目が若いと身体も実年齢よりも若い、ということはよくあることです。
血管年齢など、検査を必要とするものだけでなく、顔色や肌の状態なども見た目には大事な要素です。
しかし、見た目が若いからといって、体内、とくに卵巣年齢までもが若いとは限りません。
一般に、35歳を過ぎると、妊娠のしやすさは低下します。
ここ数年、30代でも閉経を迎えてしまう「早期閉経」も問題になっていますので、卵巣年齢を調べる検査などを受けてみるのも良いでしょう。

その6:1人目がすぐできたから、2人目もすぐできる?


結婚してすぐに1人目ができたらから、自分は不妊ではない、2人目はいつでもできると思っている人は案外多いようです。
でも、「いざ2人目がほしいと思ったら、なかなかできない」と悩んでいる人は少なくありません。
2人目のできにくい原因として、もっとも考えられるのが加齢です。
「1人目の出産から3年」と聞くと、数年の変化に思えますが、卵子や精子の年齢からみると大きな3年です。
この間に卵子も精子も年をとってしまい、妊娠しにくい状態になっていることが考えられます。
また、性行為の回数が減る、ということもあるようです。

その7:1人目が帝王切開だから、2人目も必ず帝王切開?


2人目も帝王切開になるかどうかは、1人目を帝王切開した理由によります。
たとえば、母親の骨盤が小さく、最初から予定の帝王切開の場合は、次も帝王切開になるでしょう。一方、胎児の具合が悪くなって緊急の帝王切開を行った場合には、次の出産では自然分娩の可能性もあります。
ただ実際には、多くの医療機関では、1人目が帝王切開だった場合は2人目も帝王切開をすすめています。
これは、帝王切開によってできた傷(創:そう)が関係しています。
帝王切開をすると、当然ですが、子宮に傷が残ります。
妊娠経過中は、子宮の傷があるため、子宮もゆっくりと大きくなり、多くの場合、とくに問題は起こりません。
しかし、出産間近になっても子宮が大きくなってしまうことや、出産時の子宮収縮に耐えられないことがあります。
そのため、医療機関では2人目も帝王切開がすすめられることが多いようです。
先ほどお話ししたように、2人目は自然分娩を行うところもありますが、子宮や胎児の状態にもよります。
ですから、医師とよく相談のうえ、安全に出産ができる方法を選びましょう。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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