膵臓(すいぞう)

子どもの急性膵炎

急性膵炎を起こすと、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。進行すると多臓器不全により死亡することもあります。早期に治療を開始すれば、重症化を防ぐことができます。今回は、子どもの急性膵炎の原因と症状について解説します。

急性膵炎とは

急性膵炎とは、膵臓が分泌する消化酵素により膵臓自身が消化されて起こる病気です。膵臓が分泌する消化酵素はタンパク質を分解する作用があり、膵臓の外に出てから効果が発揮されます。しかし、何らかの原因により膵臓の内部で消化酵素が活性化しタンパク質が分解されると、急性膵炎を発症します。

急性膵炎の原因と症状

急性膵炎では
腹痛や吐き気、嘔吐、腹部膨満感などが主な症状です。進行すると、呼吸や腎臓など他の臓器の機能が低下して死亡することもあります。
小児の場合は、肝臓で作られた胆汁を流す管と膵臓で作られた膵液を流す管が合流して一本になった共通管の先天性異常が原因になることもあります。

急性膵炎を起こすと、アミラーゼやリパーゼなど膵臓から分泌される分解酵素の血液濃度が高くなります。また、超音波検査では膵臓の腫れを、CT検査では膵臓の炎症を確認できます。

急性膵炎の治療

膵臓が刺激されると分解酵素の分泌が高まり、急性膵炎が悪化する恐れがあります。そのため、飲食物を一切摂取せずに点滴静注により栄養を補います。腹痛に対しては、鎮痛薬や分解酵素の働きを抑えるタンパク分解酵素阻害薬が用いられます。軽症から中症であれば、これらの治療で軽快することが多いです。

重症の急性膵炎では、生命維持に必要な複数の臓器の機能が障害される多臓器不全などの合併症に対する治療も必要になることがあります。その際には、集中治療室で全身管理が必要になります。また、症状に応じて膵液から膵臓を守るタンパク分解酵素阻害薬の注射や、血液浄化療法なども検討されます。
症状が軽快後、膵臓に仮性嚢胞という袋状の組織が生じることがあります。仮性嚢胞の中で出血や感染を起こした場合は、開腹手術か内視鏡手術により仮性嚢胞と胃、もしくは小腸を繋ぐ処置が必要になることもあります。


2017/06/13

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