膵臓(すいぞう)

膵炎や膵臓の傷が原因で起こる膵嚢胞

膵嚢胞は膵臓に生じる小さな袋のことで、大人に限らず子どもにもできることがあります。これは、原因である膵炎や膵臓の傷が子どもにも起こり得るからです。今回は、膵嚢胞の症状と原因、治療法について解説します。

膵嚢胞とは

膵臓の内部、もしくはその周りに生じた袋のことを膵嚢胞といいます。膵炎や膵臓に外的な衝撃が生じた後にできる嚢胞のことを、仮性嚢胞といいます。膵炎は、膵臓の先天性奇形や免疫機能が自らの細胞や組織を攻撃する自己免疫により膵臓が攻撃されることでも起こります。

嚢胞は線維性組織で構成されており、内部には壊死組織や膵液、炎症性滲出液で満たされています。小さな仮性嚢胞は自然消失することがあります。膵管と繋がっている嚢胞は膵液が嚢胞内に流れ込み、次第に大きくなっていきます。大きい嚢胞は嚢胞内で細菌感染を起こし、周囲の動脈を障害して動脈にコブが生じて血流が悪化する動脈瘤を引き起こす恐れがあります。

膵嚢胞の正体が、膵管内乳頭状粘液性腫瘍の場合があります。これは、膵管に乳頭の形をした腫瘍が生じることで多量の粘液が膵管内に留まり、膵管が膨らむことで嚢胞のような形状になる病気です。

膵嚢胞の症状

仮性嚢胞の原因は膵炎や膵臓の傷であるため、それらに伴って腹痛などの症状が現れます。膵管内乳頭状粘液性腫瘍の場合は、無症状であることが多いといわれています。粘液が膵管に溜まり膵液の流れが悪化すると、腹痛や背部痛などの症状が現れることがあります。

膵嚢胞の診断

超音波検査で膵嚢胞の有無や、形などを確認します。しかし、超音波検査では膵臓全体を確認することが難しいため、MRI検査や胆汁や膵液の撮影を強調して撮影するMR胆管膵管撮像検査などを行うことがあります。小さな嚢胞の場合、嚢胞の種類を判別することは困難です。

膵嚢胞の治療

膵嚢胞の治療を行う際は、膵臓を休ませるために絶食して点滴で栄養などを補います。これで約半数近くの仮性嚢胞は消失するといわれています。しかし、6週間経過しても膵嚢胞が小さくならない場合は外科手術が必要になることがあります。手術では、嚢胞内の膵液を消化管へと流すため、仮性嚢胞が生じている部位に応じて胃や十二指腸と繋ぎます。膵尾部という消化管から遠い部位に仮性嚢胞がある場合は、膵尾部を切除することもあります。

<まとめ>
膵嚢胞は膵炎や膵臓に傷などができた後に現れることがあり、超音波検査やMRI検査などで診断できます。治療は、膵臓を休ませるための絶食、点滴での栄養補給などを行います。嚢胞が小さくならない場合、手術が必要になることがあります。子どもが腹痛などの症状を訴えた場合は、この膵嚢胞の可能性もあります。

参考元:
日本小児外科学会


2017/06/14

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