ミルクを吐く

ミルクを吐く赤ちゃんに試したい5つのステップ

赤ちゃんにミルクを飲ませた後、必ずさせるげっぷ。げっぷを出そうと赤ちゃんの背中をトントンと叩いていると、ミルクも一緒に吐き戻してしまうことがありますよね。子育て中の新米ママなら誰もが心配したり困ったりした経験があるのではないでしょうか?
今回は、赤ちゃんがミルクを吐く理由や対処法、注意点、吐き戻しを抑えるためのポイントをまとめましたのでご紹介します。

吐き戻しはいつまで続く?

授乳後、げっぷと一緒にミルクを勢いよく出してしまうことを吐乳(とにゅう)、口からたらりとミルクを少量戻すことを溢乳(いつにゅう)といいます。これらの吐き戻しは身体が未熟な赤ちゃんにとっては自然な現象ですので、過度に心配する必要はありません。
一般的に生後2〜6ヶ月の間は吐き戻すことが多く、生後7ヶ月以降は減少します。成長とともに胃袋の大きさや機能も発達し、生後12〜18ヶ月には吐き戻しがなくなりますが、不安や悩みがある場合は健診の際などに相談しましょう。

授乳後1~2時間で吐き戻すのは胃食道逆流症?

胃食道逆流症とは?

大人とは異なり新生児の胃は縦型で胃周辺の筋肉が発達していないため、胃の入り口である噴門がしっかり閉じられず、飲んだミルクが逆流し吐き戻してしまいます。授乳した直後に吐くこともあれば、1〜2時間経ってから吐くことも珍しくありません。
通常は成長とともに改善しますが、頻繁に吐き戻しをしたり、逆流したものが長時間食道に残ったりすると様々な病気の原因になってしまいます。胃酸が食道粘膜を刺激して食道炎を起こし、悪化すると潰瘍ができることがあります。また、逆流したものが気管に入ると気管支炎や肺炎、喘息のような発作などの呼吸器症状を引き起こしてしまうことも。逆流によって、このような合併症が現れることを「胃食道逆流症」といいます。

・対処法

ミルクを少量ずつ与え、げっぷを出させた後は赤ちゃんの上体を起こしておきます。毎回抱っこしておくのが難しい場合はスリングやラックを上手に使って身体を立てた状態に保ち、逆流を防止しましょう。
吐き戻しの量や回数が多くても1日約30gの体重増加があり、発熱がなく元気な状態であれば大丈夫です。しかし、体重の増加が順調でない、高熱が出る、顔色が悪いなどの場合は早めに小児科医を受診しましょう。

ミルクを大量に吐き戻すときは?

理由1:ミルクを飲み過ぎている可能性

赤ちゃんは満腹中枢が未発達なので、お腹がいっぱいになってもミルクを止めようとしません。母乳過多の場合、赤ちゃんに必要な量よりも多い母乳が分泌されるため飲み過ぎてしまい、その結果大量に吐き戻してしまうことがあります。飲み過ぎの症状としては、下痢のように水分量の多い液体状のうんちが特徴です。

・対処法

赤ちゃんが泣くたび、お腹がすいたと思ってミルクを与えていませんか?ベビースケールで授乳前後の体重を測り、ミルクの量を調整するという方法もありますが、まずは空腹以外の理由も探るようにしましょう。おしっこやうんちでオムツが汚れている、室温や体勢など睡眠環境が悪いといった理由で泣いているのかもしれません。普段から赤ちゃんが気持ち良く眠れる環境を整えてあげましょう。

理由2:寝返りでお腹が圧迫された可能性

個人差はありますが、生後5〜6ヶ月頃になると赤ちゃんは寝返りができるようになります。寝返りは成長の証で嬉しいものですが、うつ伏せの状態になるとお腹が圧迫されてしまい、飲んだミルクを吐き戻してしまうことがあります。

・対処法

寝返りで吐き戻してしまう場合、ミルクを飲んだ直後はうつ伏せにならないように対策をしてみましょう。寝返り防止クッションや寝返り防止枕というアイテムが市販されており、赤ちゃんが寝返りしにくいように両サイドに高さがついているものです。赤ちゃんの身体の両側に丸めたバスタオルを置くことでも代用できますので、まずはバスタオルで試してみても良いですね。他には、赤ちゃんをバウンサーやベビーラックに乗せる方法もあります。身体をまっすぐにして寝かせるのではなく、ゆるやかな傾斜をつけることで吐き戻し対策になりますよ。

理由3:食物アレルギーの可能性

赤ちゃんが飲むミルクに含まれるたんぱく質が原因でアレルギーを起こす場合があります。ミルクアレルギーと呼ばれていますが正式には新生児・乳児消化管アレルギーといい、月齢の低い赤ちゃんで発症するケースが多いです。症状としては、嘔吐・血便・下痢などの消化器症状が現れます。

・対処法

原因となったミルクを中止し、アレルギー専用の粉ミルクに変更すれば改善します。ミルクアレルギーが疑われる場合、まずはアレルギーを専門とする小児科の医師に相談してください。

理由4:消化器系の病気が潜んでいる可能性

授乳すると噴水のように勢いよく吐き戻してしまう場合は「肥厚性幽門狭窄症(こうひせいゆうもんきょうさくしょう)」の可能性があるため要注意です。肥厚性幽門狭窄症とは、胃の出口である幽門が狭くなり飲んだものが十二指腸へ運ばれずに胃の中で溜まるため噴水状に吐き出してしまう先天性の病気です。大量に吐き戻してしまうため、ミルクを消化できず栄養不足に陥るため体重が増加しません。理由はわかっていませんが最初に出産する子どもで男の子に多い傾向があり、治療としては手術が必要になります。
そのほかにも大量かつ頻繁に吐く背景には、ウイルスや細菌に感染する胃腸炎や腸管の通過が障害される腸閉塞などの消化器系疾患が潜んでいる場合があります。このような疾患で大量に嘔吐物を出してしまうと脱水症状になりやすいため、水分補給するなど注意が必要です。赤ちゃんの様子を日々観察し、以下のような特徴的症状が確認される場合は診察を受けるようにしましょう。

●嘔吐がみられる主な病気と特徴的な症状

病気 特徴的な症状
肥厚性幽門狭窄症 噴水のようにミルクを激しく吐く・体重が増えない・生後1ヶ月前後に発生 など
胃食道逆流症や食道裂孔ヘルニア 繰り返す嘔吐・体重が増えない・発育障害 など
急性胃腸炎 激しい嘔吐・腹痛・下痢 など
腸閉塞(イレウス) 繰り返す嘔吐(胆汁を含むため黄色や緑色の嘔吐物)・お腹が膨れる・腹痛・便秘・おならがない など
胃軸捻転症 繰り返す嘔吐・お腹が膨れる・おならが多い など

吐き戻しの中に血が混じっているのはなぜ?

ママの血液であることがほとんどです

母乳育児の場合、授乳中にママの乳首が切れて出血することがあります。赤ちゃんの吐き戻しの中に混ざっている血は、乳首からの出血であることがほとんどです。
母乳は血液を原料として作られているため、稀に血液が混じったミルクが出ることもあります。ママが乳腺炎になり化膿することでも母乳に血が混ざる場合がありますので、吐き戻しに含まれる血液はママの血液かもしれないということをまず考えましょう。
乳首に傷がない場合や哺乳瓶でミルクを与えている場合は、赤ちゃんが吐き戻したときに食道の小さな血管が損傷して血液が混ざった可能性があります。しかし一時的なことが多いため、赤ちゃんの機嫌がよければ大丈夫でしょう。他には、潰瘍と診断されることがあります。潰瘍の場合は血を吐く以外に血便や食欲不振、体重減少などの症状がみられます。

・対処法

まずは、ママの乳首が切れていないか、乳腺炎になっていないかをチェックしてください。乳首の痛みが軽い場合は乳首ケア専門のクリームやオリーブオイルを塗って保湿する、痛みがひどく卒乳まで我慢できない場合は病院で薬を出してもらうこともできますので、状態を判断してケアしましょう。
赤ちゃんの吐き戻しに血液が混ざることは珍しいことではありませんが、混ざっている血液の量が多かったり、目安として1週間以上続いたりする場合は病院を受診すると安心です。

ミルクを吐く赤ちゃんに試す5つのステップ

赤ちゃんは胃の機能が未熟なうえに、ミルクと一緒に空気も飲み込んでしまうため、ちょっとした衝撃でお腹の中にある空気が押し出されると同時にミルクを吐き戻してしまいます。
吐いたミルクを喉や気管に詰まらせないように、げっぷを出し切ってあげることが大切です。
授乳指導は産院によって異なりますが、げっぷが上手に出ない場合は以下の5つのステップを参考に試してみてくださいね。


STEP1.ママは少し浅めに腰掛ける
少し浅めにソファや椅子に座り、背もたれで身体の角度を調整しましょう。

STEP2.赤ちゃんは肩にもたれ掛かるよう縦抱きに
ミルクを吐き戻してしまう場合に備えて、自分の肩にタオルやガーゼを乗せておきましょう。

STEP3.赤ちゃんの胸がママの肩に乗るくらいの高さまで上げる
赤ちゃんを少し横向きにして、口や鼻を塞がないように注意しましょう。

STEP4.赤ちゃんの背中(胃〜首の後ろ)を下から上へさする
溜まった空気は上がるので、それを押し上げていくように優しくさすってください。
叩いても構いませんが、身体が緊張してげっぷが出ない場合もあります。

STEP5.5分間試す
5分以上は赤ちゃんもママも疲れてしまうので、げっぷが出ない場合は頑張リ過ぎず諦めて布団に寝かせましょう。赤ちゃんを横に寝かせると空気が移動してげっぷが出てくることも。
寝かせるときは、赤ちゃんの右側を下にしましょう。げっぷと一緒にミルクを吐いたとき、気管に入るのを予防することができます。

ミルクの量に注意し、げっぷを出し切るようにするだけでもミルクの吐き戻しを抑えることはできます。ミルクを吐く赤ちゃんには、今回ご紹介した5つのステップを試してみてください。ただし、噴水のような嘔吐、血便、体重減少などの異常がみられる場合は病気が潜んでいる可能性がありますので、早めにお医者さんを受診するのが賢明です。

参考
日本小児外科学会ホームページ


2018/11/16

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