妊娠初期症状

妊娠初期に突然胸の張りがなくなるのはなぜ?流産の可能性はある?

妊娠初期は眠気やつわりなど、ママの身体にさまざまな変化が起こります。胸の張りもその一つですが、突然その張りがなくなることも。妊娠が判明して胸の張りを感じていたのに、その張りがなくなると「お腹の赤ちゃんに何かあったのでは?もしかして流産?」と心配になりますよね。
今回は、妊娠初期以降に胸の張りがなくなる理由や流産との関係についてご紹介します。

初期以降に胸の張りがなくなる理由は?

胸の張りや痛みの原因は女性ホルモン

妊娠初期に胸の張りや痛みを感じるのは「エストロゲン」と「プロゲステロン」と呼ばれる2つの女性ホルモンが関係しています。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は受精卵が着床しやすいように子宮内膜を増殖肥大させ乳管を発達させる作用があり、プロゲステロン(黄体ホルモン)は子宮内膜を維持し乳腺を発達させる作用などがあります。妊娠が成立すると、この女性ホルモンの分泌量が増えて乳管や乳腺が発達するため乳房の張りや痛みが生じるのです。

胸の張りがなくなる理由

胸の張りがなくなる理由は、女性ホルモンの分泌量が変化したり、女性ホルモンが関係していなくても症状が消失したりとさまざまな理由が考えられます。
多くの人は妊娠初期に胸の張りを経験しますが、その症状が全くない人もいれば、張りと消失を繰り返す人もいるなど、実際には個人差があり症状の感じ方も人それぞれです。
胸の張りが突然消えると、お腹の赤ちゃんに何かあったのではと流産の不安が頭をよぎるかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。しかし、張りの消失以外にも出血や腹痛などの症状がある場合は流産の可能性も疑われますので、医師に診てもらうようにしてください。

胸の張りがなくなるのは何週目からが多い?

妊娠16~19週(妊娠5ヶ月)頃になると安定期に入り、ママの心も身体も落ち着いてくるため胸の張りがなくなったと感じる人は多いようです。この頃になると出産に向けた身体づくりが進み、乳房が大きくなり乳首の色が濃くなってきます。
しかし、落ち着いたはずの胸の張りが妊娠中期~後期になって再び現れることがあります。特に妊娠32~35週(妊娠9ヶ月)頃は乳腺がさらに発達し母乳分泌の準備をし始めるため、胸の張りを感じる人が多くなるようです。
妊娠中の乳房は発達し続けているため、胸の張りがずっと続く人もいれば、安定期に入って急に張りを感じる人もいます。個人差が大きいということに留意しましょう。

妊娠初期に胸の張りがなくなるのは流産の証拠?

妊娠初期の流産

妊娠21週(妊娠6ヶ月)以前に赤ちゃんの命がなくなってしまうことを「流産」といいます。流産は妊娠全体の約10~15%で発生し、その約80%は妊娠12週までの妊娠初期に起こります。妊娠初期の流産の原因は胎児の染色体異常によるものが多く、残念ながら予防や治療をすることはできません。
一般的な流産は妊娠を継続することはできませんが「切迫流産」は胎児が子宮内に残っていて流産のリスクがある状態のことをいいます。妊娠初期の切迫流産においても有効な薬や治療法がないため経過観察を余儀なくされますが、安静にして胎児の心拍が確認されれば落ち着くことがほとんどです。

流産の可能性の有無

流産で妊娠の継続ができなくなると乳房の発達が止まります。その結果、胸の張りがなくなることも考えられるため流産の可能性は否定できません。
しかし流産の場合は、胸の張りの消失以外に出血や腹痛といった兆候が現れることが多いです。出血は鮮やかな赤色または暗赤色で、場合によっては大量に出血することもあります。また、妊娠以降高温を保ち続けてきた基礎体温が低下し、高温に戻らないという場合は流産の可能性が高いといえます。
胸の張りの消失だけで流産と判断することはできませんが、基礎体温の低下や出血・強い下腹部痛の症状がみられた場合は流産の可能性が疑われますので、すぐにかかりつけの産婦人科を受診するようにしてください。

 胸の張りがなくなる以外に
 下記症状がある場合は病院を受診しましょう 
 出血
 強い下腹部痛
 基礎体温の低下
 つわり症状がなくなる  など

自覚症状のない「稽留流産」とは?

一般的な流産の場合は出血や腹痛などの症状を伴うことが多いですが、そのような自覚症状が現れない「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」というタイプの流産も存在します。
稽留流産とは、胎芽または胎児がすでに死亡しているけれど、子宮内にとどまっている状態のことをいいます。お腹の中に赤ちゃんが残っているため基礎体温は高温を維持し、つわりも続く場合があります。自覚症状がないため、診察時の超音波検査ではじめて確認されるケースが多いです。
稽留流産を含め妊娠初期の流産は赤ちゃんの先天的な染色体異常によるものがほとんどです。どんなに注意しても防ぐことは難しいので、もし流産が起きてしまったとしてもご自身を責めないようにしてください。流産は悲しいことですが、次の妊娠に向けて生活環境や体調を整えましょう。
妊娠初期にみられた胸の張りがなくなるのは女性ホルモンが関係しており、珍しいことではありません。胸の張りは妊娠中全く現れない人もいれば、症状がずっと続く人や張りと消失を繰り返す人もいるなど個人差があります。
突然胸の張りが消失したからといって流産したと判断することはできません。腹痛や出血がないか、基礎体温は低下していないかをチェックし、そのような症状がみられた場合や不安が残る場合は、我慢せずにかかりつけの産婦人科を受診することをおすすめします。

<参考文献>
・竹内正人監修「はじめての妊娠・出産辞典」(朝日新聞出版)
・デジタル医学辞典「MSDマニュアル


2017/11/20

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