中耳炎

2017/10/23

中耳炎での鼓膜切開、繰り返しても大丈夫?

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専門家監修記事(Q&Aコメント)

中耳炎での鼓膜切開、繰り返しても大丈夫?

中耳炎で鼓膜切開を繰り返す子どもを心配する相談が寄せられました。鼓膜が薄くなるという噂の真偽について、専門家は何と答えているでしょうか。

5歳児のママからの相談:「切開は何度繰り返しても大丈夫ですか?膜が薄くなるのは本当ですか?」

5歳になる息子は、赤ちゃんの頃から風邪を引くとよく中耳炎にかかってしまいます。病院では抗生物質を処方してもらい、2回繰り返しても治らない時は切開をすることもあります。毎回ではありませんが2回に1度の割合で、切開をしています。何度も切開を繰り返すというのは、耳に負担がかかっているように思いますが、大丈夫なのでしょうか。切開すると膜が薄くなると聞くので、それがとても心配です。(40代・女性)

鼓膜切開のメリットの方がはるかに大きい

鼓膜切開により、鼓膜が薄くなることや聴力への影響を心配する必要はないようです。むしろきちんと治療しない場合に聴力障害のリスクがあり、鼓膜切開をするメリットがデメリットを大きく上回る、というアドバイスでした。

子どもの耳の構造は大人に比べて耳管と呼ばれる部分が太く短く、角度も浅いため鼻から細菌が侵入し、炎症を起こします。これが中耳炎と呼ばれるものですが、繰り返す子は繰り返します。切ってもすぐ塞がりますし、薄くなるのではなく逆に硬くなることがあります。何度も行うことで心配される気持ちも分かりますが、切開をするメリットのほうが、デメリットよりもはるかに勝っているとお考え下さい。(看護師)
中耳炎には最初の段階では抗生剤で炎症を抑えて様子を見ますが、慢性になって浸出液が溜まってくると、耳管通気療法・鼓膜切開・チューブ固定法が行われます。鼓膜切開をしなかった場合、溜まった膿で鼓膜が自然に破けてしまうと、傷口が凸凹になり、綺麗な状態に戻りにくく、そのため聴覚障害が起こりやすいデメリットがあります。鼓膜切開すると、完治までの時間が短いというメリットがあります。(看護師)
鼓膜切開を繰り返すと、その後の聴力に影響が出るのではと心配される方もいますが、鼓膜切開を繰り返しても、難聴などの副作用はなく、むしろきちんと治療しない方が聴覚障害などの影響が出るといわれています。何回も鼓膜切開を繰り返す場合は、鼓膜が塞がらないよう、一定期間チューブを固定して様子を見ることがあります。(看護師)

説明・同意のもとに納得して治療を

鼓膜切開について分からないこと、不安なことがあれば何でも医師に質問し、しっかりとコミュニケーションを取って納得した上で治療を受けることが勧められています。

勿論、鼓膜切開は保護者である相談者さんが拒めば行えません。医療は説明と同意の上で成り立つものですし、分からないことはその場で医師に質問をしましょう。後で聞いていない、こんなはずではとならないためです。納得されて治療を受けることをお勧めします。(看護師)

鼓膜切開をするメリットがデメリットを大きく上回っており、鼓膜切開を繰り返すことで鼓膜が薄くなる・聴力が下がるといった心配は必要ないようです。とはいえ、鼓膜切開を行うかどうかは十分な説明を受け、納得した上で保護者が決めることですので、分からないことはその場で医師に質問することが勧められています。


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