不妊治療の詳細を知りたい…なぜ病院は公表していないの?

不妊治療を考えている人にとっては、少しでも詳しく具体的な情報が事前にほしいもの。それなのに病院のホームページなどには、個人差があるからと一般的なことしか書いていないことに不満を持っているという相談に対し、看護師さんたちの答えとは。

妊活中の女性からの質問:「病院の不妊治療内容に関する記載について」

不妊治療について病院のホームページなど見ると、どれも詳しい治療内容が書いてありません。生理何日目までに診察、エコー何回、排卵確認、内膜の厚さ、卵胞の大きさなど、もっと詳しい記載があってもよいのに、何でも「人による」とされてしまうことに疑問を感じています。特に人工授精までは保険治療なので、病院によって方法が違うとは考えたくないです。通院回数の目安にもなります。なぜ公表しないのですか。(30代・女性)

不安にさせることなく一人ひとりに合わせた治療をするため

治療については、はっきりした基準があるわけではなく、個人の年齢や状態、治療の進み方によりその都度、最適の方法を選んでいくようです。仮に平均値で基準を記載してしまうと、デリケートな問題だけにかえって誤解や不安を生むことが危惧されます。

生理何日目までに受診、エコーを何回、排卵確認を何回というはっきりした基準はなく、あくまでも個人の症状や家庭の事情、経済的なことを踏まえ、それぞれに合った有効な治療法を選択します。最初の検査では異常がなくても、治療が進むにつれて新たな問題が発覚して途中から治療方針が変わる場合もあります。病院によって大きな違いはないと思いますが、医師の方針や個人によってマニュアル通りにはいかないとご了承ください。(産科看護師)
治療を受ける方の年齢によっても、行う内容は異なってきます。また、人によっては回数を記載してしまうと、その回数より多くなる少なくなるといったことで、受け止める側も不安になってしまうからではないでしょうか。内膜の厚さや卵胞の基準を載せてしまっては、その基準に到達しなければ必ずしもいけないわけではないですし、いたずらに不安にさせないために公表しないのではないでしょうか。(内科看護師)
医療者が相手にするのは、一人の人間です。詳しく書くこともたしかに大切なことではありますが、皆さんが同じ状態ではありませんので、治療を受けていくにあたってその都度、説明をして一緒に治療方法を考えていくことに重きを置いているつもりです。(内科看護師)

慎重な記載にはクレーム対策という側面も

どの業界もクレーマーには悩まされていますが、医療機関も例外ではないようです。

モンスターペイシェントと呼ばれるクレーマーの人たちは、こう書いてあるからと揚げ足を取る言動や、何回と書いてあるから、それを越えた分は支払わない、などということもあるからだと思います。(内科看護師)

不妊治療について、病院のホームページに一般的なことしか書かれていないのは、はっきりした基準がなく、個人の状態に合わせて治療を選択していく必要があること、平均値を記載した場合、かえって不安をあおる恐れがあること、理不尽なクレームなどのトラブルを未然に防ぐことなどの理由があるようです。


2015/12/31

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