どうしても涙を流したくないときの対処法

悲しくなったり感動したりすると、人は涙を流すもの。
涙が込み上げてきて仕方ない…
でも、涙を流せる状況ではない、泣いている姿を見せたくないことだってままありますよね。
そんなときアナタはどうしますか?
今にも泣きそうだけど泣きたくない、なんとか我慢したいときの対処法について取り上げます。

涙には3つの種類がある

アナタはどんなときに涙を流しますか?
大人になると感情的に涙を流すことは少なくなるかもしれませんが、涙は日常的に分泌され、私たちの目を守ってくれています。
涙には「基礎分泌性の涙」「反射性の涙」「情動性の涙」の3種類があり、それぞれ涙が出るきっかけが違っています。

■基礎分泌性の涙

日常的に行う瞬きによって分泌される涙で、成人では一日に1~3mlほど分泌されています。
目が乾燥しないように保ち、細菌による感染から守る役割もしています。

■反射性の涙

玉ねぎを切ったときや目にゴミが入ったときなどに自然と出てくる涙です。
異物を洗い流してくれます。
また、あくびをすると涙が出ることがありますが、これは顔の筋肉が大きく動いて溜まっていた涙が押し出されたために起こります。

■情動性の涙

嬉しさや悲しさなどで感極まって泣きだすときに出る涙です。
今のところ情動性の涙を流すのは人間だけとされています。
この3種類のうち、涙を見せたくないのに泣いてしまう、というシチュエーションで流れるのは情動性の涙ですね。

涙を止めると身体によくない?

基礎分泌性の涙と反射性の涙は、それぞれ生理学的な役割を持っています。
一方、情動性の涙にはどのような役割があるのかというと…実はまだはっきりとわかっているわけではないようです。
ただし、情動性の涙は自律神経と深く関わっていて、泣いたあとは副交感神経が優位になりストレスを緩和する作用があることはわかっています。
怒りや悲しみといった負の感情はもちろん、喜びや感動といったプラスの感情も脳にとってある種のストレスとなります。
そのような状態のとき、涙を流すことによって高ぶった神経のスイッチを切り替えているのです。
実際、泣いたらスッキリして穏やかな気持ちになった…という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
泣いたあとに眠くなるのも、同様に副交感神経が優位に働いているからです。
そんな働きをしている涙ですから、込み上げてきた涙を無理に止めるのは本来あまりよくないことです。
泣き始めた子どもは泣き止むまで泣かせておく方が、情緒的な発達の観点からはよいとされています。
思いっきり泣いたあとの子どもは、ケロッとしてご機嫌になりますよね。
心身の健康のためには、大人も泣きたいときには泣くのが一番です。

応急処置的に涙を止める方法

とは言うものの、大人はそれぞれにやむを得ない事情を抱えていて、泣きたくても絶対に泣けないと無理をせざるを得ない状況もあります。
それでは、情動性の涙を流したくないときにはどうしたらよいのでしょうか。

■深呼吸をする

泣き出しそうなときは、呼吸がいつもより浅く、速くなっているものです。
涙が出てきそうになったら、まず息を長く吐き出すことに集中して、呼吸そのものにしばらく意識を向けてみましょう。
だんだんと呼吸が整ってくるにつれて涙も引いてきます。

■上を見上げる

涙を見せたくない人が空を見上げるシーンはイメージしやすいでしょう。
実際こうすることによって効果はあるようです。
視線を上に向けると気分を変えるきっかけにもなります。

■瞬きをする

涙は目尻の上にある涙腺から出てきて、目頭の下側にある涙点というところから鼻腔へと排出されていきます。
瞬きをすると涙の排出が促され、目からあふれるのをある程度抑えられます。

■舌や身体に刺激を与える

清涼感のあるガムや炭酸飲料で舌に刺激を与えると、泣くことから意識が逸れて涙が引くようです。
他にも、軽く舌を噛む、身体のどこかを少しつねる、なども効果があるようです。
ただし、涙もろい人がこれらを常套手段にしてしまうと、身体を傷つけるクセがつくことにつながりますから、避けたほうがよいかもしれません。

涙を我慢したあとは思いっきり泣きましょう

泣きたいときに泣けないのは、非常にストレスフルな状態であると言えます。
一人きりになれる時間を作って、思う存分涙を流すようにしましょう。
好きな飲み物を用意してアロマキャンドルを焚くなど、自分が一番リラックスできる環境をつくりましょう。
リラックスしていると、心がほどけて心置きなく泣けるものです。
意識的に泣く時間を作ってストレス発散を図る活動、「涙活」はご存知ですか。
ストレスが溜まっていると感じたら、大好きな音楽を聴く、映画を観るなどして、笑ったり泣いたり感動したり、感情を大きく動かすとよいでしょう。
先ほども述べたとおり、本来心身の健康のためには、泣きたい場面でできるだけ涙を我慢しないことをおすすめします。
ただし、最近なぜか涙があふれて止まらなくなることが多い、涙もろくてすぐに泣いてしまって止められない…という度合いになると、うつ症状の始まりである可能性も考えられます。
進行すると泣くことすらできなくなってしまうケースも多く見受けられます。
心配な場合は早めに身近な友人や親しい家族、カウンセラーなどに相談しましょう。

<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2019/03/31

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この記事の監修/執筆

助産師/看護師/保育士河井 恵美